第106話 難楼討伐 後編
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の元に来た方が幾ばくかましということでしょうね。美しい女性なら直のことなのです。しかし、子持ちまでとは些か失礼な気がしなくもありませんが・・・・・・。異民族らしいと言えばらしいですね」
風は染み染みと頷きながら言いました。
「私は降伏条件を飲めば、危害は加えぬといったはずだ」
私は美女10人と先に出した降伏条件を飲めば、彼らに危害を加えぬと言いました。
私の言葉が信用できないのでしょうか?
確かに敗残の勢力に女を差し出せという敵将の言葉など信用できる訳がないです。
「私も難楼にその旨を伝えたのですが、やはり信用できなかったのでしょう。多分、彼女は一度何かあれば正宗様と刺し違える覚悟かと思うのです〜。難楼は中々芯の通った人物のようですね。一軍の頭領である者が敵将の辱めを受けると分かって、自分の身を差し出すなど普通はできません」
風は難楼のことを褒めていました。
「それは建前だろう」
この私がそんな鬼畜なことをする訳ないです。
彼らにそれを判断する術などないのは分かっています。
ある意味、この事態は予定調和というところなのかもしれません。
私は凄く気が重くなってきました。
だいたい子持ちの既婚者まで美女に含めるなんて聞いていないです。
美人だからといっても節度があるでしょう。
でも、風は難楼側が私の配下の兵による暴行を恐れ、見目の良い女性を私の元に送ったのではないかと言っていました。
私が身分が高くとも女性達が辱められた挙げ句、捨てられるとは考えなかったのでしょうか。
「まあ、そうなのですが・・・・・・。選ぶ道がないということでしょうね。兵卒に辱めれれば、どんな目に会うかなど目に見えているしょう。子供のいる女性は自分の子供だけでも無事に生きて欲しいと思い、慰み者になるのも厭わずに正宗様の元に来たということではないでしょうか」
風は重々しく口を開きました。
「風・・・・・・。私が物凄く悪い奴のように思えるのは気のせいか?」
「気のせいではないですね。事実です」
「そうか・・・・・・」
私は幽鬼の如く、顔を俯きながら風に近づき首を絞めました。
「ぐ、ぐ苦る・・・じ・・・い」
風は俺の拘束から逃れようとしました。
「この馬鹿、もう少し上手くできなかったのか! これでは俺は最低の屑だろうが!」
「お、おぉお落ち・・・・・・着・・・・・・いて・・・・・・」
風は苦しいそうに言いました。
「何を為さっているのです!」
俺が風の首を絞めるのを止める者が現れました。
「う! 冥琳・・・・・・、何か用か?」
冥琳はこめかみを震わせながら、私を睨んでいました。
お陰で一瞬たじろいでしまい、風の
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