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レーヴァティン
第百八十八話 連勝その十一
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「帝国の中の一部としてだ」
「治めていく方がか」
「いい筈だ」
 そうだというのだ。
「その方が国もまとまる」
「俺もそう思ってな」
「緩やかに治めているな」
「ああ、治安は気を付けているけれどな」 
 押さえるべきところは押さえているというのだ、良好な治安なくして民は落ち着いて暮らせず市民生活もよくならずそこから産業も発展しないからだ。
「けれど税とか労役はな」
「軽くしてな」
「労役の報酬は弾んでな」
「言論統制もしていない」
「そうしてるさ」
「そうだな、その方がだ」
 穏やかな政の方がというのだ。
「むしろだ」
「国はまとまるな」
「何度も言うが太陽の方がだ」
「北風より強いな」
「だからこの国の占領地でもな」
 今増えているそこでもというのだ。
「太陽だ」
「その政でいくべきだな」
「税は軽くしてな」
 そしてというのだ。
「その分産業を発展させてだ」
「民生も豊かにしてな」
「豊かになった分の税を手に入れてな」
「より豊かになるべきだな」
「そういうことだ」
「普通に島原藩みたいなことしたら」
 清音は日本の江戸時代の話をした、あまりにも有名な島原の乱が起こった藩である。九州の長崎の方である。
「しっぺ返しもあるわよ」
「ああ、天草四郎のな」
「そう、天草四郎はね」
「どうして叛乱、一揆をおこしたか」
「そう、それはね」
「あの藩がとんでもなかったからな」
 久志もこのことを知っていた。
「切支丹弾圧以上にな」
「もう重税と処罰がね」
「年貢とか払えなくてな」
「蓑踊りとか逆さ吊りとかしてな」
 そしてというのだ。
「水牢に入れて」
「しかも賦役も酷かったから」
「皆暮らしていけなかったな」
「五公五民どころか」 
 戦国時代の相模の北条家はそれを四公六民としてあえて民を楽にさせてその支持を得ていた。この辺り北条家は見事であった。
「もっとだったよな」
「九公一民だったのよ」
「無茶苦茶だな」
 久志も唖然として言った。
「それはまた」
「そうよね」
「そんなことをしたら」
 それこそというのだ。
「民は暮らしていけないな」
「それで叛乱が起こって」
「島原藩潰されたな」
「幕府が調べたらあんまりにも酷い政だったから」
 島原の乱の後でだ。
「それでね」
「そうなったな」
「藩主は打ち首になったわよ」
 大名であるがだ、本来大名もっと言えば武士は処罰は切腹である。打ち首はそうはならないものである。
「これがね」
「大名でもっていうのがな」 
 久志もこう言った。
「凄いな」
「赤穂浪士は打ち首になっていないでしょ」
「全員切腹だったな」
「主君の浅野内匠頭さんもよ」
 騒動の発端を起こしたこの人物もだ
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