第百八十八話 連勝その八
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「俺達はな」
「戦うべきでござるな」
「敵が来るなら」
それならというのだ。
「他に選択肢はないだろ」
「如何に数だけの軍勢で」
「無理矢理戦わさせられていても」
そうであってもというのだ。
「敵が来るならな」
「戦うでござる」
「そうだよ、だからな」
久志は敵軍を見た、やはり数だけでどの兵も敵つまり久志達を見て怯えている。戦いを知らない顔ばかりだった。
その彼等を見つつだ、久志はさらに言った。
「それじゃあな」
「今からでござるな」
「戦うな」
こう言った。
「そうするな」
「敵はまた攻めて来るので」
「だからな」
それでというのだ。
「砲撃とかで迎え撃って」
「数を減らして」
「そうしてから攻めるな」
「それでは」
「ああ、しかし戦術も何もないな」
久志は北の大国の戦い方についてこうも言った。
「本当にな」
「ただ攻めて来るだけでね」
淳二もこう言った。
「それでね」
「ああ、オプリーチニクに脅されて」
「それだけだからね」
「確かに数は多いしな」
「指揮官もいるから陣も組んでいるけれど」
「本当にそれだけだからな」
「もう戦術はね」
そういったものはというのだ。
「なくて」
「弱いね」
「そうだよな」
「ああ、本当にね」
まさにというのだ。
「もうね」
「その分も弱いな」
「敵はね」
「というか本当に無理に戦わせるとな」
後ろや目付にオプリーチニク達を置いてそうさせてもというのだ、久志は動きだした敵軍を見つつ言った。彼等の前進は訓練をしていないだけあって整っておらず実に遅くかつまとまりも欠いている。
「何にもならないな」
「そうだね」
「数を揃えても」
「弱いね」
「それでも戦うしかないしな」
「うん、だからね」
それでというのだ。
「ここは容赦なくね」
「攻撃するか」
「そうしていこうね」
「そうだな、砲撃の射程に入ったらな」
久志は兵達に命じた。
「まずは砲撃だ」
「そしてですね」
「術の攻撃に銃撃も行いますね」
「そうしますね」
「それで今回は見渡す限りの大平原だからな」
その場所での戦だからだというのだ。
「騎馬隊も使うか」
「それでは」
「その時は」
騎兵隊の将であるモンフェラートとトスカーナが応えた。
「我等が率い」
「そうしてですね」
「敵を側面そして後方からな」
久志は二人に話した。
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