第五章 トリスタニアの休日
第四話 魅惑の妖精
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すかっとしたわありがとうルイズちゃん!」
「最っ高だったわ!」
「シロウさんもあんなに強いなんて!」
「あっと言う間に貴族をのしちゃうんだもん! もう驚いちゃった!!」
口々に士郎たちを褒め称えながら、女の子たちがルイズたちを取り囲み、ルイズに抱きついたり、士郎に身体をすり寄せたりしだす。何時もなら士郎に女が近づくと、直ぐに爆発していたルイズだったが、周りの女の子のせいで近づけないでいた。それでも何とか近づこうとしたルイズに、女の子の一人が言った言葉に、思わず足を止めてしまった。
「ちょ、ちょっとシロウに近づかな――」
「さすが貴族ね!」
「え?」
ルイズが思わず立ち止まり、そう言った女の子に顔を向けると、
「ルイズちゃんが貴族だなんて最初っからわかってたわよ!!」
「んなっ!」
「げっ!?」
破壊音を立てながらスカロンが床から飛び出してきた。
スカロンは士郎が塞いだ穴をぶち破りながら飛び出すと、腰が引けている士郎たちの前で己の力を誇示するようにポージングをとりだす。
ムキリムキリと筋肉を軋ませながら、ある意味爽やか笑みを浮かべるスカロン。ルイズが何やら言い訳をしようと口を開こうとするが、それよりも先にスカロンが首を振り口を開いた。
「何やら事情があるんでしょうけど安心して。このお店にはいろんな事情がある女の子達ばかりだから、言いふらすような子なんていないからね」
スカロンの言葉に同意するように、うんうんと女の子たちが頷いている。どうやら気付いていたのはスカロンやジェシカどころか、店の女の子たち全員みたいだった。女の子たちのニッコリと笑って頷くのを、ルイズがぶすっとした顔で見ている。
どうやらルイズは上手く隠せていると思っていたみたいだ。そんなルイズを微笑ましげに女の子たちが見ている。ルイズは店の女の子たちにとって手間のかかる妹みたいな感じなのだろうか?
「だから、安心してこれからもチップを稼いでね!」
バチコン! と、どすピンクの星をまき散らしながらウインクしたスカロンを見上げたルイズは、縋るような目を士郎に向ける。疲れたように溜め息を吐いた士郎は、ルイズに向けて肩を竦めてみせると、同じようにルイズも溜め息を吐いた。
ニコニコと士郎とルイズの様子を見ていたスカロンは、次に店の中を見渡すと、手を叩いて自分に視線を集中させると、店の女の子たちに向かって声を上げた。
「もうお客さんがいなくなっちゃったから、チップレースを終了するわね」
スカロンは士郎が抱える財布の山をチラリと見ると、
「シロちゃんが持ってる財布は……どうしようかしら」
首を傾げて士郎の顔に視線を移動させた。
スカロンからどうする? と目で問いかけられた士郎は、ずっしり
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