最終章:無限の可能性
第275話「水面に舞う緋き月・前」
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は言え無傷ではない。
むしろ、神によっては今ので倒せただろう。
「(っ―――生きてる)」
「………」
倒れ伏した状態から、ゆっくりと起き上がる神。
その表情には、確かに笑みが浮かべられていた。
「(まだ、何かある……!?)」
相手は神界の神だ。今まで倒してきた神も、その“性質”の全てを見た訳じゃない。
そのため、何か隠し玉があっても緋雪は驚かない。
「………くひっ」
「ッ―――!?」
だが、“ソレ”は想定外だった。
「くひ、くひひひ、げひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「っ、う、ぁ……!?」
“ぐじゅる”“ぐじゅる”と、ナニカが神から展開される。
ソレを見て、緋雪は息を呑み、冷や汗を流した。
「ひゃひゃひゃひゃ!!あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「ッ………!」
元々、神界の神が人型を取っているのは、その方が活動しやすいからだ。
……裏を返せば、人型以外が活動しやすいならば、その姿も持つ。
「これ、は……ッ!?」
冒涜的な見た目をした“触手”が、神の体を突き破り、展開される。
さらに、体の周りをチロチロと形容しがたき炎や光などが瞬く。
「っ、ぅ、ぐっ……!?」
「縺薙%縺九i縺ッ」
それを見て、緋雪は猛烈な吐き気を覚える。
直後、それは違うと認識した。
「譛ャ豌励〒陦後°縺帙※繧ゅi縺」
「(こっちの“狂気”、か……!)」
これは“狂気”だ。
冒涜的で、形容しがたき存在を見た際、正気を削られる。
その正気を失えば、“発狂”する。
そういった“狂気”を、この神は実現しているのだ。
「ぁ、ぐ……!」
相手は“狂気の性質”。
……その“性質”が、どうして無から狂気を生み出せないと思ったのだろうか。
「ぁ、ぁぁ……!?」
未だ経験した事のない感覚。
それ故に、緋雪は対処できずに立ち尽くすしかなかった。
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