最終章:無限の可能性
第275話「水面に舞う緋き月・前」
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らを突き刺す前に、神が転移する。
全く想定していなかった訳ではないが、それでも対処が間に合わない。
防御だけは間に合わせ、そのまま地面に叩きつけられる。
「はっははははははははははははははははははははははは!!!」
「っ、っづ、ッ……!」
乱打、乱打、乱打。
理力による衝撃の連打が緋雪を襲う。
転移で逃げようも、それも理力で差し押さえられ、完全にマウントを取られる。
一撃一撃が緋雪の体を抉り飛ばし、傷つけ、陥没させる。
「(“意志”を直接折る事をこの神はしてこない。マウントを取ってもこれなら、“狂気の性質”が原因と見ていいかな。自身すら狂気を持っているから、“意志”を込めた攻撃が不得手……!)」
そのために、心を折るために直接戦闘でマウントを取ってくる。
そう緋雪は結論付ける。
無論、ただ嬲られるだけでは、今更緋雪の心をは折れない。
「(……なら、唯一私を倒すには“狂気”しかない。……なるほど、根競べだね)」
体を打ちのめされながらも、緋雪は冷静に思考する。
要は、神は“狂気”を通して緋雪の“意志”を折ろうとしているのだ。
この戦闘は、最早表向きなものに過ぎない。
「(……受けて立つ)」
片腕が千切れ飛ぶ。
同時に、もう片方の腕を神の肩に突き刺した。
「―――爆ぜろ!」
―――“破綻せよ、理よ”
その状態で、突き刺した手で“破壊の瞳”を握り潰す。
神の肩が爆散し、僅かに攻撃が緩む。
「はぁっ!!」
気合一閃。再生させた腕で首を斬り飛ばす。
魔力と霊力を纏わせ、直撃時に敢えて反発させる事で強烈な爆破を引き起こした。
先ほどの“破壊の瞳”と合わせ、これで両腕が使えなくなってしまう。
……が、即座に神を蹴り飛ばす事でその場から抜け出す。
「心を蝕む葛藤や悲しみ、憎しみ、そして恐怖。それらが狂気となる。……なら!それらを克服し、乗り越えた今なら!決して“狂気”に囚われない!!」
転移で間合いを取り、声を張り上げる。
同時に、極光を放ち、近寄らせない。
否、その前に“準備”を終える。
「さぁ、さぁ、さぁ!人を滅ぼす人の業を御覧じろ!これこそが我が身!我が心!いざ水面に映し出せ、緋色月!!」
―――“清澄の緋色月-フリッシュロートモーナット-”
神の爪が目の前まで迫った瞬間、緋雪から炎が噴き出す。
その炎は辺りを塗り替えるように広がり、同時に魔力放出で神を吹き飛ばした。
「これが、私の新しい……ううん、本当の心象風景!」
それは、今まで緋雪が使ってきた固有結界とは違う風景だった。
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