第三章
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「ＧＰＳも付けておくか」
「タローに」
「そうするか」
「そうね、じゃあそちらもちゃんとして」
「そのうえで」
「タローと一緒になのね」
「暮らしていこう」
夫は妻にタローを見ながら語った、そしてだった。
息子にこれからは家の中で飼うと言うと彼も笑顔で頷いた。
「うん、じゃあこれからね」
「部屋の中でな」
「タローとずっと一緒だね」
「そうしような」
「うん、タローもう二度と家出したら駄目だよ」
徳太はタローを咎めてかつ心配している顔で見ながら告げた。
「皆心配するからね」
「クゥ〜〜ン・・・・・・」
タローは反省している顔で一声鳴いて応えた、そのタローを撫でてだった。
徳太は両親に顔を向けてそうして言った。
「もう絶対にね、何があってもね」
「タローが家出する様なことはな」
「ない様にしましょう」
「心配だからね、家族がいなくなったら」
どうなるかもだ、徳太は言った。
「本当に心配だから」
「このことはな」
「気をつけないといけないわね」
「そのことはタローもわかってね」
またタローに言った、そうしてだった。
一家はこの時からタローを室内飼いにしてＧＰＳも付けてそのうえでいつも彼と一緒にいて楽しく過ごした。そしてもうタローも脱走なぞしなかった。一家はずっと一緒に幸せに過ごした。
そして父はその幸せの中で母に言った。
「タローの脱走は外から僕達が一緒に楽しく過ごしてるのを見てな」
「寂しかったのかしら」
「それでストレスが溜まって」
そうしてというのだ。
「脱走したのかもな」
「それで遊んできたのね」
「そうかもな」
「そう思うと室内飼いにしてよかったかしら」
「少なくともタローの場合はな」
どの犬もそうではないがというのだ。
「そうかもな」
「それじゃあ室内飼いはよかったかも知れないわね」
「タローにとってはな」
二人でタローと遊びながら話した、タローはそんな二人を見て尻尾を振ってとても嬉しそうだった。
帰宅出来て 完
２０２１・１・１８
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