暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Saga22-A最終侵攻〜Battle of the north〜
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


リッタは普通の魔術師なんかではない。だから私たちはすかさず自分の魔力を内包した神秘カートリッジをロードして、自身の魔力量と神秘を増加させる。番えていた矢を破棄して、再度高速矢4本を生成して番え直す。

「お? なんだよ。まだ上があるんじゃねぇかよ。いいぜ、ならオレももうちょっと本気を出すぜ」

――イグニッション――

「「っ・・・!」」

リッタの全身から微かに漏れていた魔力が爆発的に増大して、溢れ出し始めた。アンジェとは目線だけで会話できるほどに一緒に戦ってきたから、私の対角線上に居るアンジェはその場から飛び退いた。

――天翔けし俊敏なる啄木鳥――

「往けっ!」

私が矢を射るかどうかの一瞬。リッタは右腕を引き、私が矢羽根を離した瞬間に彼女は拳を突き出した。たったその一動作で4本の矢は私とリッタの合間で粉砕された。それと同時に私に向かって突っ込んできたから、私は後退しながら新たに生成した魔力矢を弦に番える。

「私に背を向けていていいのですか!」

――ランツェファーネ――

先端にて魔力幕を円錐状に固定することで槍となった“ジークファーネ”による鋭い刺突攻撃を繰り出すアンジェ。リッタは真っ直ぐに私だけを見据え、左腕を思いっきり引くために半身になりながら上半身を捩じった。その動きでアンジェの一撃を躱した。

「おらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

――翔け抜けし勇猛なる光条――

攻撃が空振りになったことでアンジェはすかさず射線上から離れ、真っ向から私を殴るために左拳を突き出そうとしているリッタだけが私の前に居る。だから遠慮なく砲撃と化す矢を射た。零距離とはいかなかったけれどリッタは砲撃に、そして着弾時に発生した魔力爆発に呑まれた。

(この程度で終わる防御力ではないだろうし・・・!)

追撃の砲撃矢を生成しようとしたところで、「効かねぇな!!」と無傷のリッタが煙の中から飛び出してきた。私が未だ矢を番えていないことにリッタはニヤッと笑顔を浮かべ、引いていた右拳を高速で繰り出してきた。

「させませんよ」

しかし残念。リッタは私を注視しすぎて、低い体勢で同じように突っ込んできていた隣のアンジェに気付かなかった。繰り出された右拳はアンジェの振り上げた“ジークファーネ”によって上に向かって弾かれた。その僅かな間で私は砲撃矢を番え終え、「少し痛いですよ」と伝えてから射た。今度はほぼ零距離だったから私とアンジェも魔力爆発の衝撃をまともに受け、数mと後退を強いられた。

「だから効かねぇって言ってんじゃねぇか!」

神秘カートリッジで強化したうえでの零距離直撃。それでも無傷という異常性に驚きはしたけれど、「私たちもまだ全力ではないから」とだけ言い放ってみた。するとリッタは「そいつは楽しそ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ