第二章
[8]前話 [2]次話
「酷い書き込みも多くて」
「ネットはそうだな」
「親切な声も多いけれど」
それでもというのだ。
「諦めろとかもう死んだとか」
「そうした書き込みもあるな」
「ええ、そうした書き込みに一々傷付いて」
「けれどネットでもか」
「探してるの、少しでも情報が欲しいから
それ故にというのだ。
「そうしているけれど」
「中々だよな」
「見付からないわ、どうしたのかしら」
「無事だといいけれどな」
見れば夫も食欲がない、二人共愛犬が心配だった。そしてずっと眠れない夜を過ごしていたが次の日の朝だった。
美和は自宅から遠く離れた警察署からポチが見付かったと連絡が来たのを受けた、それで連絡を受けるとすぐにだった。
その警察署までいてもたってもいられず向かってポチを見た、するとポチは。
「クゥ〜〜〜ン・・・・・・」
「ど、どうしてこんなに」
美和は今のポチを見て愕然となった、何と。
ポチは痩せ細り衰弱しきっていた。立っているのがやっとという有様だった。ここで美和をポチのところに案内した警官が話した。
「実は動物を虐待してそれを動画サイトに投稿している男がいまして」
「動物をですか」
「はい、この通りです」
ここで警官は美和にその動画を見せた、すると。
ポチを檻の中に入れてずっと餌を与えず一日目だの二日目だの楽しそうに言っていた、犬に餌をあげないとどうなるかということを動画で紹介していた。
「この男の名前は有本和也といいます」
「動画を投稿しているユーチューバーですか」
「そうです、動物を虐待している動画をあげてです」
そうしてというのだ。
「注目を浴びせ動画閲覧を上げて」
「広告代で、ですか」
「生計を立てている男で」
「だからポチをですか」
「人懐っこい子なのを利用しまして」
見ればお手をしているポチを誘拐してライトバンに入れていた。
「自宅に連れ去りまして」
「こんなことをしていたんですか」
「以前から問題になっていて通報を受けて自宅に捜査に入りましたら」
「ポチがいたんですか」
「そして他にも動物を虐待している動画がです」
「あったんですか」
「多量に、現行犯で逮捕しました」
警官は美和に苦い顔で話した。
「もうこの子は大丈夫です」
「そうですか」
「ただ、衰弱しきっているので」
警官は美和にこのことも話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ