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レーヴァティン
第百八十八話 連勝その四

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「もうね」
「帰してやるんだな」
「それで働いてもらうのよ」
「それがいいな」
「あとこの国の民への負担はかなりのものよ」 
 今度は清音が言ってきた。
「他の浮島の国と比べてね」
「ああ、農奴っていうかな」
「それ位の負担ね」
「そうだな」
「だからね」 
 それでというのだ。
「私としてはね」
「税は軽くだな」
「それで産業を興して」
「そちらで利益を得るな」
「確かに税も必要よ」
 これもというのだ。
「税金つまり収入がなくてね」
「国も動かせないからな」
「そう、けれど国家の収入は税金だけじゃなくてね」
「産業からもあるからな」
「あまり税が重いとね」
「民が失うばかりでな」
「やがて痩せ細っていくわ」
 そうなるというのだ。
「それで最後はね」
「その税に耐えられなくてな」
「潰れるわ」
「国ごとな」
「そうなるからよ」
「あまり重い税は駄目だな」
「そう、だからこの国の重税はね」
 民にあまりにも負担を強いているそれはというのだ。
「あらためていくことよ」
「それがいいな」
「それで産業をね」
 これをというのだ。
「興していくことよ、あと作物も」
「それもな」
「寒冷地でも栽培出来るものを入れていくことね」
「ジャガイモとかな」
「それでかなり違うわ、少なくとも重税はね」
「あらためないとな」
「それは絶対よ」
 清音は久志に話した。
「そのことは言うわ」
「そうだな、じゃあな」
「ええ、これからはね」
「そうしていくな」
 久志も約束した。
「俺達も税はあまり高くしていなかったからな」
「必要でもね」
「本当に重税は民を痩せさせるしな」
「それでね」
「日本でもそうだったしな」
 起きた世界での自分達の国でもというのだ。
「幕府の天領は税つまり年貢が低くてな」
「確か二公八民だったわね」
「お百姓さん朝にお粥食えてな」
 米のそれをだ、大和つまり奈良では茶粥であった。江戸時代百姓即ち農民は滅多に米を食えなかったとあるのは時代と地域による。豊かな地域ではやはり食えたのだ。
「それで家もな」
「大きかったわね」
「そうだったからな」
 現実はというのだ。
「まあ幕府はその分な」
「年貢が軽くてね」
「産業は興っていてな」
「色々な作物も植えていてね」
「お百姓さんが売ってたよ」
 木綿なり菜種なり豆なりをだ。
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