暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百八十八話 連勝その三

[8]前話 [2]次話
「秘密の場所にね」
「いるか」
「まず私達が知らない様な場所にいるわ」
 王の居場所はというのだ、双葉はこのことを真剣な顔でかつ探る様にしてそのうえで久志に対して話した。
「だから首都を空船で急襲したり」
「刺客を送ったりな」
「そうしてね」
「王様だけ狙ってもか」
「成功する可能性は低いわ」
 王だけを倒すそれはというのだ。
「そうしたタイプはね」
「猜疑心が強くてな」
「警護は慎重に慎重を重ねて」
 そうしていてというのだ。
「それで居場所もね」
「わからないからな」
「だからね」
 それでというのだ。
「地道に首都を狙うしかないわ」
「それしかないか」
「ええ、だからこのままね」
「北上していくか」
「それしかないわ、ただ領地を手に入れれば」
 そうすればというのだ。
「その領地の民はね」
「兵になってる連中もな」
「全員戻すべきよ」
「これまでの仕事にな」
「戦場にね」
「それがいいよな」
「無理に仕立てた兵は士気も低いし」
 双葉はこのことも話した。
「それもかなりね」
「戦力にならないしな」
「そう、それに装備の質も」
 これもというのだ。
「あの通りよ」
「お話にもならないな」
「だからね」
「村とか街に戻してな」
「本来のお仕事に戻すべきよ」
「やっぱりそれがいいな」
「ああ、さもないとね」
 双葉はさらに話した。
「村や街の方がね」
「ボロボロになるな」
「女の人だけで十分な筈がないでしょ」
「働き手はな」
「この国の王様はそれがわかっていないかね」
「勝てればか」
「多少国土が荒廃してもよ」
 例えそうなってもというのだ。
「もっと言えば多少どころでなくてもね」
「いいのかよ」
「そう、勝てればね」
「とんでもねえ考えだけれどな」
「けれな勝てないと後がないことはね」
「事実だな」
「そう、それもね」
 双葉は久志にここでは冷静な声で話した、その冷静さは現実を見て知っているからこその言葉だった。
「だからもうね」
「民を根こそぎ引っ張っていったんだな」
「そうしたのよ、後はどうなってもね」
「後は後のことか」
「そうした考えでね」
「破滅的だな」
 久志は腕を組んでこうも言った。
「それはまた」
「そうね、破滅的でもね」
「それでもか」
「やっているのよ」
「勝つ為にか」
「そう、けれど占領した地域は」
 そこにある村や街についてはというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ