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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
魔法絶唱しないフォギア無印編
魔法使いの帰省・颯人の場合
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 二課の裏で暗躍していたフィーネによって巻き起こされた一連の事件、通称『ルナアタック事変』から二週間が経過していた。

 この二週間の間、颯人達は軟禁生活を強いられていた。それと言うのも、シンフォギアと魔法使い、二課だけが持つ二つの力は各国の目に留まってしまったからだ。特に月の欠片の破壊を成し遂げた、颯人と奏の行動が目立ち過ぎてしまったのだ。

 この事態に、日本政府は装者4人と魔法使い2人を機密保持の為に軟禁──厳密には魔法使いに関しては日本政府は技術的にノータッチなのだが、2人も各国政府から見れば喉から手が出るほど欲しい人材なので危害が加えられるのを避ける為──することを決定。三カ月の軟禁が当初決められていたのだが、弦十郎を始めとした者達の手により僅か二週間に短縮されたのである。

 そして軟禁期間が明け、晴れて自由の身となった颯人達。奏・翼・響は何時もの日常へ、透とクリスは新たな日常へと帰っていく。
 勿論颯人もそうだ。彼もまた二課の伝手で得た住居へ帰り、久々にのんびりとした日々を過ごしていた。

 そんな時である。

「は? 家の掃除?」

 突然奏に家の掃除に誘われ、颯人は怪訝な顔をしていた。彼が記憶している限り、奏はそこまでモノを散らかす方ではない。しかも翼と出会ってからは、彼女を反面教師にしてか家の掃除や整理整頓に気を配っていた。
 そんな彼女が自分に掃除の手伝いをするよう頼んできたことが、颯人には信じられなかった。

「どうしたよ? 家ん中で野良猫でも暴れたか?」
「誰がアタシの家の掃除だって言ったよ」
「え? じゃあ翼ちゃんのか? 別に俺らがやらなくても、緒川さんに任せとけばいいじゃねえか」
「だから違うって。アタシのでも翼のでも、響やクリスの家でもないよ。颯人の家の掃除だよ」
「いや俺の家、そこまで汚れて無いぞ」

 奏の言葉に颯人は心外だと返した。こう見えて颯人は、家の整理整頓には気を付けている。
 何しろ商売道具の手品道具は、大きい物から小さい物まで多種多様だ。そんな物をごちゃごちゃとした部屋に置いたりしたら、直ぐにどれが何処にあるのか分からなくなってしまう。

 内心馬鹿にするなと言う意味を込めて奏に返すと、彼女は颯人が思ってもみなかった言葉を口にした。

「アタシが言ってるのは今颯人が住んでる家の事じゃないよ。前の家、颯人が昔住んでた家の話さ」

 これには颯人も口を開けてポカンとせざるを得なかった。この答えは流石に予想外だったのだ。

「いい加減落ち着いてきたんだし、そろそろ一度実家の方の掃除とかもしといた方がいいだろ?」
「あ、あ〜……そう、だな。ははは……実家の事すっかり忘れてたぜ」

 正直魔法使いになってこうして奏と再会してからは、彼女と居る時間の方が大
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