118 年の終わりと始まり
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野良犬に襲われそうになった時、自分を助けてかよ子を見捨てた件で怒り、クリスマス合唱コンクールの後でも皆に責められた事が原因でいなくなったんだという自分への責任感でいっぱいだった。だが、あれから一週間以上、更には年が明けても未だに見つからない。今、どうしているのだろうか。
「かず子ちゃん、藤木君が心配?」
「う、うん」
「大丈夫よ。きっと見つかるわ」
「そうよね・・・」
(藤木君、今、どこにいるのかしら・・・?)
笹山は不安のまま、神社を後にした。
新年最初の朝。かよ子は起きるのが遅くなってしまったが、9時前だった。
「お母さん、ごめんなさい。寝坊しちゃって」
「いいのよ。気にしないで。私も起きたばかりだから。お父さんなんてまだ寝てるのよ。昨日お酒飲んでたからかしら」
「う、うん・・・」
9時過ぎ、ようやく父が起き、山田家の朝の食事が始まった。もちろん元日の為、おせち料理である。改めて「いただきます」ではなく、「明けましておめでとうございます」と言ってから食べた。
また、朝に初詣に行く者もいた。すみ子は家族で近くの神社に初詣に出かけた。今の所自分の胸の中に異常な感触はない。すみ子は安心して参拝をする。
(今年こそ、皆と楽しく過ごせますように・・・。そして、元の日常を取り戻せますように・・・)
すみ子は切実な願いを祈願した。
「すみ子」
すみ子は兄に呼ばれる。
「こんな事言っちゃ癪に障るかもしれないが、絶対に『あいつら』を倒そうな」
「お兄ちゃん・・・。うん・・・!!」
また別の場所では、長山が家族で付近の神社に参拝していた。
(小春が元気になれますように・・・。そして、元の日常に戻れますように・・・)
長山は妹の身体の心配と共に、これから始まるであろう大きな戦いへの心の準備をするのであった。
冬田は祖父と共に初詣に行く。そして鈴を鳴らしながら祈る。
(今年も大野君と一緒にいられますように・・・)
冬田は好きな男子の事を考える。もしかしたら大野と両想いになれるかもと思うと急に頭が舞い上がるのであった。
ブー太郎もまた家族で初詣を行う。
(お願いしますブー・・・。今年も大野君と杉山君の役に立てるように頑張りたいですブー・・・)
ブー太郎は石松から貰った「水の石」の所有者として、そして大野と杉山の子分として役に立ちたいと思うのであった。
丸岡はレバノンへと戻る。そして長時間の空旅の後、本部へと戻った。
「総長、只今帰りました」
「お帰り」
「日本の正月ってあんなに賑やかだと改めて思いましたよ。政府も賑やかになりますかね・・・」
「ええ、要求に応じなければ痛い目見るでしょうからね」
重信房子が統率し、軍事政権があった大日本帝国の復活を目指す日本赤軍。そ
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