118 年の終わりと始まり
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しておめでとうございます」
山田家と杉山家、そして大野家はお互いに挨拶をする。
「では、お参りを始めますか」
皆は列に並ぶ。そしてようやく自分達の番が来た。かよ子達は例をして10円玉を賽銭に投げ入れ、鐘を鳴らし、手を合わせる。そこでかよ子は考えた。
(私は何を願えばいいのかな・・・?おっちょこちょいが治る事?杉山君と一緒にいられる事?それとも・・・)
かよ子ははっと思った。そうだ。もっと願わなければならない事がある。
(元の日常を取り戻せますように・・・。それを願わなきゃ・・・!!)
さらに思い出せば母も隣のおばさんもこの地で異世界の杖と護符を貰ったという。その二つの能力で二人は戦後の苦しみを生き抜いてきた。だが、今度は自分達が元の日常を取り戻さなければとかよ子は改めて気づいた。
三穂津姫はあの杖の所有者と護符の所有者が先代・当代揃って御穂神社に来た事を嬉しく思っていた。
(きっと、この戦い、終わらせましょう。皆様方・・・)
そして大野の家族と杉山の家族もまた参拝する。杉山は「今年も大野と一緒に元気でやっていけますように」と願い、大野もまた「今年も杉山と仲良くやっていけますように」と頼んだ。
「お兄ちゃんやお姉さんは何てお願いしたの?」
かよ子は護符の所有者とその従弟に聞く。
「俺は『今年もこの清水で楽しく暮らせますように』ってね」
「私は『今年で奴等を倒せますように』ってお願いしたわ」
「そっか・・・。私は迷ったんだ・・・。『おっちょこちょいを治せますように』とか、『杉山君と仲良くやっていけますように』とか考えたけど、『元の日常を取り戻せますように』って頼んだよ」
「そうか、それが一番いい願いだね。実は俺、欲張りにももう一つ頼み事をしたんだ」
「え?」
「健ちゃんったら、欲張りね」
「ま、お二人と同じものですよ。『必ず赤軍や異世界の敵の思い通りになりませんように』ってね」
「そ、そうだよね」
「あ、杉山君、大野君・・・」
かよ子は杉山と大野が戻って来たところを呼んだ。
「二人は何てお願いしたの?」
「俺は勿論『今年も大野と一緒に元気でやっていけますように』だ」
「俺も『今年も杉山と仲良くやっていけますように』だぜ」
「うん、私も二人のコンビいつでも応援するよ」
「ありがとな」
かよ子は杉山にそう言われて嬉しく思った。一時運動会の騎馬戦で喧嘩した二人だったが、今年こそはそんな事がないようにとかよ子も願っていた。
一方、別の神社。笹山はそこで初詣に来ていた。そこには近所に住む奏子も家族ぐるみで一緒に参拝していた。
(お願いします。藤木君が戻って来てくれますように・・・)
笹山はクリスマス・イブ以降、行方不明となっている男子が非常に心配でたまらなかった。あの
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