118 年の終わりと始まり
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日本赤軍の一人、丸岡修は東京の中心部にいた。自身の認識術で周囲には見えない、いわば透明人間のような感じで歩いているのだ。その為、誰にも気づかれる事はなかった。
大晦日。年越しそばを食べながら紅白歌合戦を見ていた山田家は食器の後片付けをしていた。
「もうすぐ1974年も終わるな」
「うん・・・」
「除夜の鐘を聞きに初詣行こうか」
「そうだね」
かよ子はその為か夜更かしをしていたのだ。山田家はいつも御穂神社まで行って初詣をしていた。今年もその予定である。出かける準備を終え、丁度家を出ると、隣の羽柴家の姿も見えた。奈美子と利治の娘のさりも帰省していた。
「お、山田さんとこもいつもの御穂神社に?」
「はい、そうです」
「一緒に行きましょうか」
「はい」
かよ子達は羽柴家と共に御穂神社へと行くのだった。この日はバスは初詣対策として終夜運転を実施していたので、その為か夜中の清水の街は賑やかだった。
「あれ、車使わないの?」
「旦那も私も酒飲んじゃったからね」
「そうなんですね・・・」
やっぱり大人達にとっては酒を飲む事は楽しいものであろう。実はかよ子の父もそばを食べながら飲酒をしていたのだ。
「ねえ、かよちゃん」
さりがかよ子にある質問をする。
「かよちゃんの学校の男の子が行方不明だって聞いたわ」
かよ子はあの卑怯者の別名で知られている男子の事だとすぐに分かった。
「うん、その男子の親から電話がウチに来たんだ・・・。まだはっきりとは決まってないけど、もしかしたら異世界の敵か、赤軍が関わっているかもしれないって思って・・・」
「そうね・・・。なんかそんな気がするわね」
皆は歩いている途中、除夜の鐘が聞こえた。もう1974年は終わった、と皆は改めて思う。
「もう、終わったんだね」
「ええ、今年も宜しくね、かよちゃん」
「うん・・・」
皆は御穂神社に辿り着いた。神社にはすでに行列となっていた。
「起きてる人、多いね」
「ああ、新年だからな」
そんな時、かよ子はある人物から呼ばれた。
「おう、山田じゃねえか」
「す、杉山君・・・!?」
かよ子は好きな男子の登場に驚いた。
「お前も家族で来たのか?」
「うん・・・」
「俺もだぜ」
よく見ると杉山の両親や姉もいた。
「あ、明けましておめでとうございます・・・」
「明けましておめでとうございます」
お互い新年の挨拶をした。
「やあ、明けましておめでとう、杉山君」
「ああ、三河口さん」
「君もここに来るという事はもしかして大野君とも待ち合わせているんじゃないのか?」
「はは、バレたか。実はそうなんだ」
そして杉山君を呼ぶ声がした。
「おーい、杉山、お、山田もいたのか」
大野が両親と共に現れた。
「どうも、明けま
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