GGO編
九十七話 予選を終えて
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ては未知数ながら先のNPC戦を見ていた限り弱いと言うことは先ず無いだろう。
明日の戦闘に関しては今から少し憂鬱な。しかしそれ以上に期待を感じてニヤリと笑いながら涼人は停止し、扉の開いたエレベーターから出て歩く。と、後ろのキリトが、先程からちっとも喋らない事に気がついた。
「そういや、お前はどうだったんだよカズ。予選Fブロック、トップ通過だったんだろ?」
「え?あ、あぁ。まあ、なんとかなったかな」
歯切れ悪くそう話す和人に、涼人は首を傾げる。
「おいおいなんだよ。やけにテンション低いじゃねえか。あのシノンって嬢ちゃんに勝ったんだろ?」
「嬢ちゃんって……そんな呼び方するとシノン怒るぞ」
苦笑しながら和人は言うが、その笑顔にもやはりどことなく力がない。
いよいよもってくるりと振り返ると、涼人ははっきりと聞いた。
「なんか有ったのか?」
「……お見通し、か」
苦笑しながら言った和人に、涼人は声を上げて笑う。
「っはは!今のお前の沈んでんの見りゃ、俺やアスナじゃ無かろうが分かるっての」
「うぐ……ま、まぁ良いけどさ……」
拗ねたように口を尖らせた和人にニヤリと笑ってやると、彼は軽く頭を掻いた後、幾らか控えめな声で話し出す。
「今日……さっきの予選のインターバルの時……おれ、多分死銃に会った」
「な、にぃ!?」
予想外の発言に、涼人は自身の声が上ずるのを感じた。慌てて和人の方に振り向き。
「で、どうだったんだ?事情聴けたのか?」
「い、いや……」
「ありゃ。何だよ。接触したならちゃんと聞かねぇと不味いだろ?どんな奴だったんだ?ン名に話しかけずらい感じの奴だったん?」
「…………」
そこまで聞くと、またしても和人が俯いて黙りこむ。そうして、数秒の間何かを迷うように顔を伏せた後、顔を上げて話しだした。
「顔は、なんかスカル系のマスクをかぶってた。声はボイスエフェクター使ってて分からなかったけど……ボロボロのマント着てたな……」
「へぇ。また雰囲気作ってる感じだなぁ……」
苦笑しながらおどけたように涼人は首をかしげる。が……和人の表情はなおも険しいままだ。
「何だ?それ以上が有るって顔だな……どした?」
「そいつの腕に、タトゥーが有ったんだ……」
「タトゥー?スコードロンかなんかのメンバーだったのか?」
「スコードロンじゃない……ギルドだよ」
「ギルドぉ?」
首をかしげて、涼人は聞き返す。あのGGOにギルドは無いはずだ。一体何を言っているのだと和人の顔をみ返すが、和人はますます顔色が悪くなるばかりで、涼人は余計に困惑する。
「何だよ。そのタトゥーが何だって?」
「……笑う棺桶(ラフィン・コフィン)」
「……あン?」
「ラフィン・コフィンの
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