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Fate/WizarDragonknight
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かという希望を持つも、クトリの頬に少しだけ張り付く血に、その希望は捨て去った。
クトリは子供だったらしきアマゾンや、動かない子供たちを見ながら、少しずつハルトに近づいていく。

「っ……!」

 ハルトは思わずウィザーソードガンの銃口を向ける。
 ハルトのほぼ無意識な動きに少し驚いた様子を見せたクトリは、やがて柔らかい笑顔を見せた。

「いいよ。撃っても」

 彼女は抵抗しない。そういうように、両手を広げた。
 引き金を引こうとしても、指が動かない。

「分かってるよ。だって君、魔法使いなんでしょ?」
「……」

 ウィザードとしての正体を彼女が知っていることに、ハルトは驚かない。すでに二回もウィザードとしての姿を見られている。
 そして。この状況。

「そういうクトリちゃんも……アマゾンなんだよね……?」
「驚かないんだね」

 クトリの体が、蒸気によって包まれる。それが消滅していくと、クトリがいた場所には、蝶の姿をしたアマゾンがいた。目深なシルクハットの頭部を低くし、再び蒸気に覆われる。

「ねえ。君は……」

 蝶アマゾンは即座にその姿を、クトリのものに戻す。だが、彼女の姿はもともとの彼女のものではない。

「……! クトリちゃん、その髪……」

 彼女の空のように美しく蒼い髪は、炎のように燃ゆる紅となっていた。水晶のごとき瞳も、血のように紅くハルトを見据えていた。

「ねえ。君は、どう思う?」
「何が?」
「私、何歳だと思う?」

 質問の意味が分からなかった。ハルトは目を白黒させながら、

「……十五とか、十六とか?」

 その答えに、クトリは少し嬉しそうに、どことなく悲しそうな表情をしていた。

「違うよ。私ね、本当は……一歳だよ」
「……え?」

 ハルトは耳を疑った。だが、クトリは続ける。

「私はね。親が誰かも分からない。それは、前にも言ったことあるよね?」
「……あったね」
「私が病院に最初に引き取られて、行われたのが、体に溶原性細胞を埋め込むことだったんだよ。だから、本当はここの子供たちの中で、私が一番年下」

 少しだけ、クトリは口を閉じた。やがて流れてきた沈黙の中、クトリは絞り出すように言った。

「……だからね」

 そういいながら、クトリはナース服のボタンを外す。一つ一つ、その数を増やし、やがて脱ぎ捨てた。頭のナースキャップも落とし、次にインナーにも手をかける。

「おい……」

 ハルトが止める間もなく、クトリは上半身の衣類を放った。思わぬ状況に目をつむる前に、それがハルトの目に入ってしまった。
 美しいクトリの体に、複雑に刻まれる溶原性細胞の血管。それは、これまでの感染した人々のそれとは比較にならないものだ
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