117 残された手紙
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日本赤軍の長、房子は手紙を書く。
「できたわ、年賀状が。これで勝利は私達の方に傾くはず・・・」
「これで今度こそ残りの三つの道具を我らの者にできますね」
「修、貴方の矛盾術なら届ける事も可能でしょう」
「ああ、やってやりますよ」
房子は政府への「年賀状」を丸岡に託した。
(これで杖、護符、杯は私の物になる・・・)
房子はそう望んだ。今、戦争放棄で弱体化した日本。そしてアメリカの支配に置かれたままの情けない状態になり果てた。その国を元に戻すには四つの強力な道具が必要である。それは、杯、護符、剣、そして杖。剣は手にした今、奪取に手こずる三つの道具を何としても手に入れる。そうすれば日本は強くなる。房子は計画を進めていく。
戦争を正義とする世界。レーニンは今、日本という国から一人の少年をこの世界に住まわせている。彼には平和の世界を滅ぼす目的を持つ。この事が日本赤軍の目的達成にもなるのなら彼らと協力する姿勢を惜しまない。だが、これまでの闘いで多くの仲間が葬られた。そして平和の世界の人間も「向こうの世界」の人間の為に道具を持たせて対抗策を施している。相手にとって最上位の能力を宿すアイテムの一つ、剣を持っている点ではこちらにも勢いを少し強められたとはいえ、完全に優勢とは言い難い。今、赤軍の構成員が量産しているという機械があれば勝機はこちらにも傾くらしいのだが・・・。
(奴等め、どこまで腐った頭をしている・・・。だが、必ず私が正しいという事を知らせてくれる。最後に勝つのはこの私なのだ・・・!!)
レーニンは「あの世」の人間だった頃の自分を思い出す。戦争で革命を起こし、その力でソビエトを創り出した。だが、死を体験した後、元々何もなき無だったこの地に魂が辿り着いた時、レーニンはこの地でソビエト連邦のような強力な国を造った。だが、そこには邪魔となる者がいた。平和が大切だとぬかす連中が。その者を完全に排除しない限りは自身の理想は現実にはならない。そして赤軍の目的と協力し合えばそれぞれの目的達成はどちらにもメリットがある。レーニンは今まで以上の大いなる戦いを画策するのであった。
こちらは平和を司る世界。その場にはこの平和の世界の創り主・フローレンスとイマヌエルがいた。
「フローレンス、赤軍も『あっちの世界』も容赦なく動いている。本来ならばここまではやりたくないのだが、こっちも奥の手を出さなければならないようだね」
「はい・・・。書類は山ほどありますが、これらを送らねばなりません。あの国を守ります為にも、そしてこの世界を守ります為にも・・・」
フローレンスとイマヌエルは用意した書類に手を付け始めていた。
(杯の所有者、護符の所有者、杖の所有者・・・)
この二人を始めとするこの世界の人間は戦争を正義とする世界の人間の思うが
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