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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
第二百五十六話
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「ここらが退き時かのう!」

奴は撤退を選択した。

先の銃弾と違い、火種に対処できないと踏んだのだろう。

「どうやら生中ならぬ邪魔がはいったようじゃ。虎の尾でも踏んだかのう? 今の拙者ではこれにはとても対処しきれぬわ! どうやら時期が悪かったと見える。我が主も居らぬようじゃし。ここは出直しじゃ。おぬしも寄り道せずまっすぐおうちに帰るがよかろう!」

轟っ? と噴き出した焔が天井を突き破る。

「キスショットに合流したら伝えておけい! もう少し回復したら拙者の大切な妖刀心渡を返しにもらいに行くと! やはり刀が無ければ鎧武者は締まらぬわ! なにせ貸してから四百年でござる! 延滞料は覚悟しておくがよかろうとな!」

聞き覚えのある笑い方をしながら、奴は体を塵に変化させて離脱した。

「すごい焔だな…」

これは一人称視点で見ているから勢いが強いと見えるのだろうか。

それとも…。

暦さん、駿河、そして自分の足元に障壁を張る。

うーん。強い。

明らかに強い。

建物がもう持ちそうにない。

この様子だと暦さん羽川翼とヤりまくってたんだろうなぁ。

焔の温度が数千度度ってどゆこと? 強化されすぎじゃない? 鉄も解けるよ?

「暦さーん。そんなところで寝てないでこっち来な―。足元の焔は防御してるから安心していいよー」

暦さんが此方に恐る恐る歩いてきた。

二人に渡した刀と手甲を回収する。

「さて、俺はいいけどこのままだと二人とも死ぬし出ようか」

「どうやって出るんだご主人様」

「俺が二人を抱えて飛行魔法で脱出する。若しくは二人を魔法で下ろしてから俺が下りる」

俺はどちらでも構わない。

「どうしたい二人とも?」

「一夏君に任せる」

「私もだ」

よしわかった。

まず影から取り出したロープで暦さんを縛る。

魔法で操るそれが暦さんの体に複雑に巻き付く。

「な、何を?」

「こ、これは亀甲縛り! 羨ましいぞ阿良々木先輩!」

「何処がだ神原後輩?」

「言っとくが亀甲縛りは荷物を運ぶための結び方だからな」

そして、そのロープを俺の腕にまきつける。

ロープの長さは2メートルくらいだ。

「駿河、ちんちん」

「ワン!」

「それでいいのか神原…?」

膝立ちの駿河を抱き上げる。

横抱き、御姫様抱っこというやつである。

「じゃ、行こうか」

圧縮空気弾でガラスをぶち抜く。

飛行魔法で飛び出すとグンと言う抵抗。

それに構わず加速すると暦さんの情けない悲鳴が響いた。

「どうだ駿河。怖くないか」

「怖い。だが、不思議と安心する気持ちもある」

「そうか」


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