最終章:無限の可能性
第274話「その想いは、決して阻めぬ祈り・後」
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の“性質”は効かない……!」
元々のプリエール・グレーヌに加え、プリエール・フルールが加わった。
そして、何度も受けた事により感覚で理解した。
そこまで来れば、完全な相殺は容易かった。
「お前らぁっ!」
一人では勝てない。
そう悟った……悟ってしまった神は、“天使”達に呼びかける。
だが、その返事は吹き飛ばされてきた事で返ってきた。
「……は……?」
「今ここで戦っているのも、私だけじゃないよ。シュラインが、祈梨さんが、そして……遥か昔の天巫女達が戦っている……!」
見れば、プリエール・グレーヌから放たれる“祈り”が人の形を取っていた。
それらは全て、そのプリエール・グレーヌを作った天巫女の“祈り”と“意志”だ。
司と祈梨による過去の英雄を呼び出した影響で、天巫女達も召喚されていた。
本人はここにいないが、その“意志”がプリエール・グレーヌに込められた“祈り”を呼び覚ましたのだ。
「“世界よ平穏であれ”。天巫女としての力を全て賭して作られたプリエール・グレーヌ……例え時を経て本当の名を失おうと、その“祈り”は健在だよ」
祈梨が天巫女として生まれるよりも昔。
天巫女一族の全盛期とも言える時代にプリエール・グレーヌは生み出された。
当時、天巫女となる存在は25人おり、全員が天巫女としての司より才能があった。
次代の天巫女が自分達より才能がない事を悟り、後世に力を残そうとした。
それによって生まれたのが、プリエール・グレーヌだった。
世界が平和であるように願われたからこそ、強い力を持つ。
その事実が、今目の前で繰り広げられていた。
「貴方は私に敗北するんじゃない。……人々が紡いできた“意志”に……積み重ねた“祈り”に敗北するんだよ!!」
「ッッ………!?」
“天使”達が、天巫女達の“祈り”によって倒されていく。
同時に、シュラインとプリエール・フルールが光り輝く。
「人から天へ!天から神へ!我らの祈りは無限に続き、夢幻に届く!!」
「(……あぁ―――)」
“逃がさない”という“祈り”が鎖となり、神は串刺しのまま拘束される。
そこまで来て、神は力を抜いた。
「想いを束ね、祈りを束ねる!撃ち貫け!!」
「(如何なる“妨害”を以ってしても乗り越える。―――それこそ、我々が見てきた生命達の“意志”ではないか……)」
「“夢幻に届け、超克の祈り”!!」
「(……ならば、こうなるのも道理、か―――)」
眩いばかりの輝きが、辺り一帯を覆った。
収まった時には、既に司しかいなかった。
“妨害の性質”の神が、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ