最終章:無限の可能性
第274話「その想いは、決して阻めぬ祈り・後」
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子摺らせられたな」
結局、司は終始圧倒されたままだった。
あらゆる回避及び防御行動は“妨害”され、さらには先手も取られる。
理力も扱えない司では、どうしてもそれらを突破出来なかった。
途中、何度も“意志”での突破を試みたが、攻撃の軌道などを“妨害”されるだけであっさりと反撃を凌がれてしまっていた。
「っ………!」
ゆっくりと、司は起き上がる。
だが、手はだらりと脱力しており、立つので精一杯だ。
それほどまでに物理的にボロボロになっていた。
「終わりだな。トドメはお前がやれ」
「ああ」
“早い性質”の神が瞬時に肉薄する。
理力の剣が司の首を刎ねようと振るわれる。
「ごはっ!?」
刹那、膨れ上がった魔力が神を吹き飛ばした。
「なっ……!?」
「………」
司は相変わらず瀕死だ。
だが、確かに今、司による攻撃で神は吹き飛んでいた。
「(なんだ、今のは……!?)」
ゆらり、と緩慢な動きで司は動き出す。
力尽きる寸前で、それでも戦おうとする。
そんな姿勢にも見える。
「ッ―――!?」
一瞬だった。
一瞬で司は“天使”の一人に肉薄し、シュラインで貫いた。
さらにそこから“祈り”を爆発させ、砲撃で薙ぎ払う。
「ごっ!?」
突き刺さったままの“天使”を掌底で吹き飛ばす。
一挙一動が、強い“祈り”と共に繰り出されていた。
「っ、なぜ“妨害”しない!?」
「……出来ない。“妨害”すべき“点”がわからない……!」
そして、何よりも“早い性質”も“妨害の性質”も無視していた。
どちらの“性質”も、司の思考や動きなどから、ある一点を抑えるように“性質”を働かせる事で、先手を取ったり“妨害”していた。
だが、その“一点”が今の司の動きには存在していなかったのだ。
「は……?」
「来るぞ!」
“天使”の声に、“早い性質”の神がすぐさま司に視線を向ける。
……が、直後に司は転移でそこから消える。
「速……ッ!?」
「(なぜ、なぜ動きが読めない!?)」
転移は一回だけでなく、連続だった。
加え、置き土産に“祈り”の魔力を転移ごとに設置していた。
「くっ……!」
さすがに、その魔力の炸裂は“妨害”される。
魔力の炸裂そのものを“妨害”されたため、魔力はその場に停滞する。
「ぁ……!?」
しかし、その間にも司は動く。
転移と共にシュラインで薙ぎ払い、“天使”の一人を執拗に狙う。
一撃で障壁を切り裂き、二撃目から何度も斬り刻む。
「このっ……!」
別の“天使”が理力を炸裂させる。
避ける素振りを見せない司
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