第三百十一話
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第三百十一話 お茶を飲むと
七人はそれぞれお菓子を食べてからお茶を茶道の作法に従って茶器を回してからそのうえで飲んだ。
一口飲んでだ、まずは華奈子が言った。
「ううん、苦いわね」
「そうね」
美奈子が華奈子のその言葉に応えた。
「お抹茶って」
「ええ、けれどね」
それでもとだ、華奈子は美奈子に顔を向けて話した。
「お口の中がすっきりするわね」
「そうよね」
「それでね」
華奈子はさらに言った。
「頭もね」
「冴える感じがするわね」
「そうよね」
「お茶はコーヒーと一緒で」
春奈が言ってきた、勿論彼女もお茶を飲んでいる。
「カフェインが入っていてね」
「それでなの」
「目が冴えてね」
そしてというのだ。
「頭もね」
「冴えるの」
「そうなるの」
「そうなのね」
華奈子は春奈に顔を向けてそうなのという顔になって言った。
「お抹茶を飲むとなのね」
「そうなるのよ」
「成程ね」
「それでね」
春奈はさらに話した。
「目を覚ます為にもね」
「お抹茶って飲むのね」
「元々お寺で飲まれていて」
春奈はお茶の歴史も話した。
「目を覚ます為だったの」
「本当にコーヒーと同じね」
「そうでしょ、修行の時にね」
まさにその為にというのだ。
「目を覚ます為だったのよ」
「それで飲まれる様になって」
「この茶道からね」
「広まったのね」
「そうなの」
「そうだったの、いや苦いけれど」
華奈子はまた飲んで言った。
「お口も頭もすっきりして美味しいから」
「それでよね」
「いいわね」
華奈子は言いつつ飲んだ、苦かったがそれでもその味も感触も気に入っていた。
第三百十一話 完
2020・11・1
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