第八幕その十一
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「しかしだ」
「忍術はなのね」
「お使いになられてな」
「凄いのね」
「我等の忍術は魔法と同じだけ凄くてな」
「幸村さんの忍術もなのね」
「左様、わしの忍術もかなりだぞ」
こう言ってでした、小助さんは。
分身の術を使って五体になったり急に姿を消したりしてみせました。これにはモジャボロ達も驚きましたが。
恵梨香はくすりと笑って言いました。
「これがです」
「忍術なんだね」
「そうなんだね」
「はい、十勇士の人達の」
「成程ね」
「むささびの術や壁歩きの術や水蜘蛛の術も使えるぞ」
小助さんは分身の術と透明の術の後で言いました。
「これは十勇士の基本だな」
「何かに変身出来ないの?」
「それは忍術ではないな」
小助さんは木挽きの馬に答えました。
「妖術になるな」
「妖術は使わないんだね」
「忍者はな」
「あくまで忍術を使うんだね」
「だから忍者や、妖術を使うのはな」
それはといいますと。
「妖術使いだ」
「そっちの人達だね」
「そして仙術を使うならな」
それならといいますと。
「仙人だ」
「それぞれ違うんだ」
「そこは覚えておいてくれ」
「小助さん達はあくまで忍者だね」
「妖術使いではない」
「だから変身はしないんだ」
「またな、よく間違えられるが」
それでもというのです。
「そこは違うぞ」
「何か混ざってるところありますよね」
また恵梨香が言ってきました。
「忍者と妖術使いって」
「確かにそうだな」
「忍術と妖術も」
「実は違う、忍者は鍛えた身体と道具を使う」
「そうですよね」
「妖術は魔法と同じ様なものだ」
そうしたものだというのです。
「忍術とは違う」
「さっきの分身とか透明は」
「素早く動いて残像を残したり隠れたのだ」
「そうなんだ」
「人の見えないところに行けば」
それでというのです。
「見えなくなるな」
「ああ、それでだね」
「透明に見える、素早く動くのがな」
それがというのです。
「忍術では大事でな」
「それでだね」
「また違う、またオズの国では身体の使い方を修行で幾らでもよく出来るので」
「今みたいなこともだね」
「出来る」
そうだというのです。
「わし等はな」
「それで妖術とはだね」
「違うのだ」
「成程ね」
「そしてな」
「そして?」
「殿も妖術は使われぬ」
幸村さんもというのです。
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