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オズの木挽きの馬
第八幕その七

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「観ることは自由だから」
「観る機会があればですね」
「観てね」
「そうさせてもらいます」
「そういうことでね」
「わかりました」
 恵梨香は行司さんにも笑顔で答えました、そしてです。
 皆は力士さん達とお別れをして旅を再開しようとしましたが。
 その時に力士さん達に是非にと言われてちゃんこ鍋もご馳走になってそれからお別れとなりました。そうして。
 旅の道を歩きつつモジャボロはこんなことを言いました。
「いや、美味しかったね」
「うん、いいちゃんこ鍋だったね」
 弟さんが応えました。
「お野菜が色々沢山入っていて」
「しかもお魚もね」
「河豚でね」
「よかったね」
「オズの国の河豚は毒がないですからね」
 恵梨香はこのことを言いました。
「いいですよね」
「ああ、外の世界ではね」
 弟さんが恵梨香に応えました。
「河豚にはね」
「毒がありまして」
「簡単にはお料理出来ないね」
「そうなんです」
「折角美味しいのにね」
「毒がありますから」
 それでというのです。
「食べるにもです」
「大変だね」
「困ったことに」
「そうだね、けれどね」
「オズの国だとですね」
「河豚でもね」
 このお魚でもというのです。
「毒はなくてね」
「安心して食べられますね」
「それも美味しくね」
「そうですよね」
「だからさっきもね」
「ああしてですね」
「皆安心して食べられたんだ」
 弟さんは恵梨香ににこりと笑って答えました。
「美味しくね」
「そうですよね」
「いや、河豚を普通に食べられるなんて」
 神宝も言ってきました。
「素晴らしいことですよ」
「折角美味しいのに毒があるから」
 カルロスも言うことでした。
「中々食べられないんですよね」
「当たると怖いから鉄砲って言われてるんですよ」
 ジョージはこう言いました。
「日本の大阪の方では」
「それが毒がないなんて」
 ナターシャも言うことでした。
「それだけでも素晴らしいですね」
「あれだけ美味しいのに」
 それでもとです、グリンダも言いました。
「毒があると思うと怖いわね」
「オズの国では毒があっても死なないからね」 
 ガラスの猫はこのことを指摘しました。
「食べても大丈夫にしても」
「苦しい思いはしたくないよね」
 毒にあたってとです、木挽きの馬が続きました。
「やっぱり」
「そうよね」
「僕達は食べる必要がないからわからないけれど」
「そのことはね」
「日本では河豚は昔から食べていたけれど」
 恵梨香が二匹にお話しました。
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