暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSURU其は天上より堕ち流れる死を奏でる者〜MuR〜
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かのように止まった。不可視の障壁ではない。爆発することで今までの攻撃では確認できなかったが、小さく薄っぺらな音符が盾としてザフィーラの拳打を防いでいるのだ。ミュールがハープの弦を弾くたびに生まれ出る音符の盾。だがこれはある意味では好機だ。ハープを出してからは一度も反撃が無い。おそらく防御特化の楽器なのだろう。

「ザフィーラや君には強化のマグニを付加しているんだが、それでも突破できないとなると一筋縄ではいかな――」

「お兄ちゃん、もう大人しく死んじゃおうよ。頑張り続けて苦しみを長引かせるより、死んで楽になった方がいいよ」

ミュールが突然オーディンに死ぬように言う。苦しみから逃げるために死んで、そして楽になれ、と。
真っ先に反応するのは「貴様!」ザフィーラと、「ふざけた事を・・・!」私だ。翼をはばたかせてミュールへと翔ける。その途中にブルーティガー・ドルヒ20基を一斉射出。
ハープが奏でられる事で生まれる音符の盾。ドルヒ全基が防がれる。しかしそれでも私の突撃は止まらない。ミュールへ最接近。両拳に魔力を纏わせる。術式はシュヴァルツェ・ヴィルクング。打撃力強化、そして障壁破壊を付与しての打撃。

「「おおおおおおおおおおおおおおおッッ!!」」

――シュヴァルツェ・ヴィルクング――

――鉄破震砕打――

ザフィーラもまたオーディンに教わって習得した、障壁破壊特化の効果を持つ魔力を両拳に纏わせた打撃を繰り出す。音符に防がれるが、間髪入れずに音符の隙間を縫うように左手を伸ばしミュールの肩に触れる。ザフィーラもまた私と同じように片方の拳打を防がれたが、もう片方の拳打をミュールの右頬に打ち込んだ。ミュールは「ぐっ・・・!」呻き声を漏らし、ハープを手放して錐揉みしながら吹き飛び、

――懲罰せよ(コード)汝の憤怒(マキエル)――

蒼光、蒼雷、蒼炎で形作られた3頭の龍が、ミュールを食い殺そうと競うように上ってきた。ザフィーラの拳打が効いたのかミュールはなんの抵抗をすることもなく蒼炎の龍の大口に呑まれた。蒼炎の龍は何度も咀嚼を繰り返す。それに続いて蒼光の龍が蒼炎の龍の頭部を噛み砕いて取り込み、咀嚼を繰り返す。
今度は蒼雷の龍が蒼光の龍の頭部を噛み砕いて取り込み、咀嚼を繰り返す。何度もそれが繰り返され、蒼炎の龍の口よりミュールの翼と思われる羽根が10数枚と燃えながら漏れていては霧散していく。いよいよミュールの身は粉砕されているだろう。だが油断はせず、臨戦態勢は解かない。

「わ〜たしは〜音楽のぉ〜〜堕〜天使〜〜ミュール・エグリ〜ゴぉリ〜〜〜♪」

――輝きたる音軍(ルスティヒ・マルシュ)――

3頭の龍の内部から何百と言う音符が飛び出し、3頭の龍が一瞬で弾け飛ぶ。ミュールや龍とは距離を十二分に開けていた事で音符
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