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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSURU其は天上より堕ち流れる死を奏でる者〜MuR〜
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ディンのお顔へと目をやる。オーディンはすでに別の魔導の準備に入っていた。蒼光の弓と槍の如き長さを誇る矢、コード・ウルという魔導だ。
「・・・っ!?」
ゾワッと身の毛がよだつ。イロウエルから――いや間違いなくミュールから発せられる魔力が原因だ。考える間もなく私はオーディンの元へ飛ぶ。ザフィーラはさらに高度を上げることでミュールより距離を開ける。
私はこれまで悲嘆や絶望を多く抱いた。しかし恐怖だけは抱く事はなかった。なのに今、私は恐怖を感じ、オーディンの傍へ行きたいという衝動に駆られた。オーディンの蒼と紅の瞳は真っ直ぐにイロウエルの両手の平の接着点を見据えている。
『父と子は〜〜お互いの存在意義を〜〜懸けて〜幾星霜〜〜〜戦い続け〜〜♪』
頭の中に直接聞こえてくる、ミュールのお世辞にも巧いとは言えない歌声。オーディンの放つ空気が変わった。それとほぼ同時、イロウエルが粉々に粉砕された。舞い散る瓦礫の中、無傷であるミュールは自身の身長と同じく大きさの三日月を後ろから抱くような姿勢で宙に座っていた。三日月には弦が張られ、両手の指で弦を弾き音色を奏でていた。
『父は〜幾多の世界を〜〜幾多の刻を〜〜孤独に〜〜』
「黙れ・・・」
――
弓神の狩猟
(
コード・ウル
)
――
ミュールの歌を拒むかのように放たれたウルは無数の光線となって、ミュールを全方位から急襲。次々と着弾していき蒼の光花を咲かしていく。あれほどの攻撃を受けては無事では済まないはず。だと言うのに、
『救いたい? それが多難であっても。どうしても? それが父の道だから。どうやって? 自らの命を削ってでも♪』
ミュールの歌声は止まる気配がない。それどころかさらに魔力が膨れ上がって行くのが判る。もはや私をも超えているだろう。
――ハウリング・スフィア――
私は周囲に魔力球を4基発生させ、「響け!」多弾砲撃ナイトメアハウルを発射。ウルが途切れたところでミュールに着弾、爆発を起こす。歌声は途切れたが、「ハープの音色は止まらないな」オーディンがポツリと漏らした。弦の張られた三日月――ハープの音色は、ミュールの歌声とは違ってとても美しい。
『無駄無駄よお兄ちゃん? そんなヌルい攻撃じゃわたしの障壁は突破できないの?』
無傷のままで私たちを見下ろすミュールはハープを弾く事を止めずに胸を張る。おそらくあのハープの音色が、あの異常とも言える防御力の要となっているのだろう。ならば止めるまでだ。飛び立つ前にオーディンの手に触れる。それだけで恐怖は払われ、勇気が生まれる。何が何でも御守りしたい彼の存在を確かめる事が出来るからだ。
「はぁぁぁあああああああッ!」
――守護の拳――
ザフィーラの拳がミュールへと打たれるが、当たる前に何かに拒まれた
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