暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
ANSURU其は天上より堕ち流れる死を奏でる者〜MuR〜
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弦楽器を弾きオーディンへ向け音符を飛ばすが、どれも砲撃に掻き消されていく。そしてフレイアが途切れた。ミュールが回避行動をやめたその一瞬の停止状態。

――リングバインド・シーリングフォース――

「うわっと・・・!?」

その隙を突いたオーディンが仕掛けた捕縛の魔導が、ミュールの両足首と腹、弦楽器の首の方を持っていた左腕を捕えた。それと同時に弦楽器は消滅。今だ。ミュールの元へと急いで翔け、この娘の背後からガシッと頭を鷲掴む。

「闇に染まれ・・・!」

――デアボリック・エミッション――

私とミュールを中心に爆ぜる魔力球。障壁生成阻害効果がある、この広域殲滅の魔導。オーディンの補助魔導のおかげもあるのか、威力や効果がこれまでより爆発的に上昇している。これなら戦船だろうが一撃で撃沈可能だと確信できる。今は亡きゼフォンにすらも損害を与えられるだろうな。

「結構痛いなぁ、これ。お兄ちゃんの魔道に、魔力生成阻害効果がある所為かな。防御がなかなか上手くいかないよ」

「馬鹿な・・・!?」

しかしデアボリック・エミッション発動中にも拘らず、ミュールはあまり堪えていないようだった。さらには捕縛輪を力づくで粉砕し、「むぅ、ちょっと頭放してください」頭を振る事で私の手を振りほどいた。

――我が武装その参(ツィンベル)――

ミュールは両手に円盤状の楽器・・・名は確かツィンベルを創り出した。ツィンベルは、両手に持つその円盤を打ち付ける事で鳴らす楽器だったはずだ。好きにさせてはいけない。傍に浮いている“闇の書”を手元に戻し、頁を開く。私自身の魔導は、デアボリック・エミッション発動中のため使えないが、“闇の書”から発動する分には問題ない。

「ラ〜ララ〜♪ 力強く(フォルツァ)勢いをつけて(フォルツァンド)?・・そして活発に(ヴィーヴォ)〜〜〜〜ッ?」

――拡がる音は魔を喰い殺す(レルム・ベレスティグング)――

オーディンの魔導を発動しようとしたが間に合わず、ミュールがツィンベルを打ち鳴らし始め、ビリビリと空間が揺れているのが体に伝わる。耳朶を貫き頭の中を掻き回すような不快な音に、堪らず両耳を押さえる。直後、発動中のデアボリック・エミッションが、ツィンベルの音で掻き消されてしまった。あまりに呆気なさすぎる。オーディンの『離れろシュリエル!』の思念通話に従い、フラつきつつもすぐさまミュールより距離を取る。

――屈服させよ(コード)汝の恐怖(イロウエル)――

ミュールの左右に蒼の円陣が生まれ、銀の巨腕イロウエルがミュールを押し潰すように飛び出してきた。回避も防御も出来ていなかったミュールは、ズンッ!と重い音と共に2本のイロウエルによって押し潰された。その光景を距離を開けつつ眺めた後、オー
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