暁 〜小説投稿サイト〜
同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
船団の国〜アスターテ連邦共和国〜(上)
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いることは占領ではなく略奪と人狩りなのだ、【交戦星域】の人間はそう信じている。
「バーラトの人間は戦争は年に二回ほどある大会戦で終わりだと思っているんでしょうな、だからヨーイドンで始まり、終わると思って『もう足抜けだ』、『いやいや次に始まったら勝てるようにやろう』と思って話してるんだ」
あいつらにはわからないんだ、俺たちは帝国にとっては奪うもので戦うものじゃないのに、と唸る。
「‥‥‥そうか」
リヴォフは答えない、どう答えようと意味がない、政治とは人の営みであり、そこに理屈ではない共感が求められることは多々ある。それを理屈にすり合わせるのが代議をし天下国家を論ずる役割の一つだ。
「どうなんですかい、先生」
「ん、まぁそういう偏見はある。俺たちのことをよく知らない連中はどこにでもいる、とりわけ首都圏ではそうだ。俺たちだってバーラトの連中のことをよく知らんだろう。
だがなぁ――」
リヴォフはにたりと笑った。
「勉強をよく頑張った連中でな、心得を違えた奴はバーラトの人々を学んだことでアスターテを語れると勘違いをするんだ。そういうやつは上院で恥をかくのが決まりだよ」
声を上げて満足そうに笑うアスターテの老いた作業員達を眺めつつ、リヴォフは口の中でつぶやいた。
「でもなぁ、俺たちもバーラトのことはわかってるようでわかってないのよ」
テレビで映るのはプロパガンダや商業的な発展や悲惨な事故や事件ばかりだ。共感性の高い内容として流される”日常”を演じるものもけして本物ではない。
反戦運動が高まるのは単純な感情論であろうと議会に出てきた者たちは耳障りが良いだけであろうと相応の理を語るからこそ、そこにいる。
あぁなんともはや。人が人を理解するということは他人のことについて如何に無知であるかを知ることなのだろう。
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あれやこれやと酒が回ってきたころに事務所にいるはずの秘書が慌てた様子で店に駆け込み、組合書記と「御公務であります」と声を張り上げリヴォフを引っ張り出した。
「おいおい。御公務ってなんだよ、俺は聞いてねえぞ」
ぶつくさといいながらも酒を飲んでいないのは褒めるべきところである。褒めてくれるどころか秘書はいいから早くしてください、というだけであるが。
「事務所にいないと聞いてどこにいるのやらと思ったら‥‥‥何をしているのですか、貴方は」
騒動に駆け付けたのは大物であるグーヴィヌ元老院議員だ。閣僚評議会の内務担当長官でもある。
「何って俺は議員だぜ!有権者の御用を聞いて回るのが仕事じゃねぇの!!」
胸を張る老議員にグーヴィヌは苦笑交じりに返答する。
「なるほど、それも道理ですが貴方は政府の代表者でもある以上はこちらを優先させていただきましょう」
リヴォフがあ
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