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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第66話:奇跡を起こす者
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む!」
「翼!」
颯人が取り出した指輪──ホープウィザードリングをウィズが慌てて取り上げようとするが、彼がこう動く事を予想していた颯人が素早く奏に妨害を頼む。
念話が無くとも彼の言いたい事を理解した奏は、翼を伴い素早くウィズを取り押さえた。
「ッ!? は、離せ!?」
「悪いね。そうもいかないんだ」
「颯人さんが何をするのかは分かりませんが、今はあの人に任せるのが最善と判断しました」
ウィズが奏と翼を引き剥がそうとする前で、颯人は弦十郎の右手中指にホープウィザードリングを嵌めた。
「いいかおっちゃん、心の底から了子さんの事を想え。他には何も考えるな。了子さんともう一度会う事を考えろ」
〈ルパッチマジック、タッチゴー! ルパッチマジック、タッチゴー!〉
颯人が弦十郎の右手をハンドオーサーの前に持っていく。その間に弦十郎は、颯人に言われた通り己が抱く了子に対する想いとのみ向き合った。
──了子君!!──
「待つんだ!?」
〈ホープ、プリーズ〉
ウィズの制止も聞かず、颯人はホープの魔法を発動させた。弦十郎の想いを原動力に、颯人の魔力を使って希望の魔法が力を発揮する。
その瞬間、奇跡が起こった。魔法が発動した瞬間、フィーネの足元に魔法陣が浮かび彼女の体を温かな光が包み込む。フィーネを包んだ光は意思を持っているかのようにフィーネから離れると、人の形を取り実体化していく。
そして数秒もしない内に、そこにはフィーネが本性を現す前の姿……櫻井 了子がフィーネの隣に再構成されていた。
それを見た瞬間弦十郎は了子に駆け寄った。
「了子君!!」
再構成された了子は完全に実体化すると、重力に引かれその場に崩れ落ちそうになる。弦十郎はその了子をギリギリのところで抱き留めた。
「了子君、了子君!」
「ん……うぅん?」
弦十郎の必死の呼び掛けに了子は目を覚ます。実に12年ぶりに目を覚ました了子は、必死の形相で自分を起こす弦十郎と、自分と何処か雰囲気が似ているフィーネの姿に目を白黒させた。
「な、何これ?」
「良かった……本当に良かった──!」
「まさか、こんな事が……」
「ま、魔法はこう言う事も出来るってことで」
混乱する3人を他所に、颯人は弦十郎の手からホープの指輪を回収した。その表情はどこか安堵している。問題の一つが解決しているのだ。
が、その表情は直ぐに凍り付く。それとなく弦十郎の指から指輪を回収した瞬間、装飾部分に罅が入り粉々に砕け散ったのだ。
「えっ!?」
今までに見た事の無かった光景に絶句する颯人。その彼の頭に、奏と翼の拘束を振り払ったウィズが拳骨を落とした。
「この、馬鹿者がぁッ!?」
「イッテェ!?」
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