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Fate/WizarDragonknight
生きることそのものが罪
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「千翼くん!」

 まるで城塞のような病院で、友奈の千翼を呼ぶ声はすでに枯れていた。
 もう何階なのかも分からない。ベンチに腰を下ろし、深く息を吐く。

「千翼くん……どこ?」

 ガラガラ声になり、無意識にウォーターサーバーに手が伸びる。紙コップを取り、水を満たし、

「って、うわっ!」

 溶原性細胞の存在を思い出し、紙コップを落とす。

「うわわわっ! 危ない、もう少しで飲むところだった……!」

 地面に広がる水たまりを見下ろしながら、友奈は深く息を吐く。

「……ただの水にしか見えないのに、こんなものでアマゾンに……?」

 蒸発するまでの時間も、普通の水と変わっているようにも思えない。
 このままここで立ち止まっていても仕方がない。友奈は先を急いだ。
 この階の病室を片っ端から開けていくが、中には凄惨な血の臭いしかない。だんだんその光景に慣れてくる自分に嫌気を差しながら、友奈は次の階へ移動した。

「千翼くん!」

 だが、急成長を遂げた少年の姿はどこにもない。もうこのフロアにはいないのか。そんなことさえ考えた友奈だったが、その足音に動きを止めた。

「……アマゾン」
「千翼くん?」

 あれだけ必死に探していた千翼が、向こうから姿を現した。
 赤いスカーフを首に巻き、灰色の上着を羽織った、友奈と同じか少し年上くらいの少年。少し下を向いていたが、やがて顔を上げて、友奈を見据えている。
 これまで見た中で、最も成長している状態の千翼だった。彼はひとたび友奈を認識すると、少しショックを受けたような表情を浮かべた。

「アマゾン……友奈さんが……?」
「え? アマゾンって……」

 感染したの? その疑問に是と応えるように、友奈は首筋に違和感が走った。
 虫が這うような感覚に、思わず両手で掻きむしる。

「……これって……」

 それを見て、友奈は目を大きく見開く。

「溶原性細胞……!」

 それを証明するかのように、体温がどんどん上がっていく。やがて体温は、空気中の水分を蒸気にするほどの高温に達していく。全身の筋肉が変形をはじめ、骨格を無視した筋肉が出来上がっていく。
 その時。友奈は理解した。
 下の階で、千翼がアマゾン態になったとき、千翼の体液を摂取してしまったのではないかと。千翼(アマゾン細胞のオリジナル)から直接取り入れてしまったせいで、こんなに早く感染してしまったのではないかと。
 やがて人間の姿を忘れていく体。そして。

「うがああああああああああああ!」

 全身に走る激痛。これまでの如何なる敵との戦い以上の痛みに、友奈は膝をついた。
 そして。
 その痛みが、外部から無理やり押さえつけられていく。変形し始めた体が、突起した
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