生きることそのものが罪
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マゾンネオにつかみかかる。
「ぐっ……!」
だが、腕力ではアマゾンネオの方が上だった。友奈はそのまま廊下の窓に押し付けられる。
粉々になった窓ガラスが吹き抜けを通じてロビーへ落下。
「ぐあっ……!」
見上げるほどの高いフロアからの落下。背中からの痛みは、生身なら確実に骨折ではすまなかったことを示していた。
続いて、アマゾンネオが友奈を踏みつけようとしてくる。転がってそれを避けると、アマゾンネオがロビーの床を砕く。
「千翼くん……」
四つん這いになった状態で、友奈はアマゾンネオを見つめる。彼のその体制は、これまでアマゾン相手にも見せた、敵との構えだった。
友奈は静かに立ち上がり、大きく息を吐く。
「やるしかない……やるしかないんだ……!」
友奈は身構え、そのままアマゾンネオと格闘戦を繰り広げる。
これまでもずっと友奈を支えてきた武術が、アマゾンネオの獣のような動きに追随していく。
「はっ!」
平手をアマゾンネオの胸に当てる。すると、圧縮された威力の掌底により、アマゾンネオは大きく引き離された。
「まだ……まだ……!」
アマゾンネオはまだ立ち上がる。肩を大きく揺らしながらも、ずっと友奈を見つめていた。
やがて、アマゾンネオの体が赤く発熱していく。やがて、拘束具が一つずつ破裂していく。やがてそれは、アマゾンネオの黄色のゴーグルも破壊され、その奥の紅の瞳もあらわになった。
「俺は生きる。たとえ……たとえ人間全員をアマゾンにしたとしても、俺は生きる! 俺はまだ何も始まってもいない!」
無数の触手が伸びる。立ち退いた友奈は、アマゾンネオの姿が、彼の正体___アマゾン態に変化したのを見届けた。
「だから俺は……生きるために戦う! バーサーカーとして、千翼として!」
六つの腕を広げながら、アマゾン態は宣言した。
「うわああああああああああ!」
彼のそれは、悲鳴の叫びだった。
無数の触手が、病院のあちらこちらを破壊していく。焼け焦げた床を、カウンターを、死体を。
友奈は跳び回りながら回避。どうしても避けられないものは手刀や足蹴りで叩き折る。
バーサーカーの本性。それは千翼でもアマゾンネオでもない、溶原性細胞のオリジナルであるアマゾン態の姿だった。
友奈は静かに顔を下げる。
「戦わなくちゃ……いけないんだ……それが私の……勇者の、セイヴァーの……! 御役目だから!」
友奈は牛鬼を一瞥し。
ゲージが満タンであることを確認し。
___力の代償として、体の一部を神樹様に捧げていく。それが勇者システム___
「満開!」
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