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八条学園騒動記
第五百九十六話 カルボナーラその十一

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「そんな余裕がなくなるんだ」
「それが戦争なんだな」
「うん、ものの余裕がなくなって」
「精神的な余裕もか」
「なくなるんだこうしたイベントは娯楽だけれど」 
 それでもというのだ。
「娯楽がね」
「戦争になるとか」
「本当にまずなくなるから」
「そうなるんだな」
「余分なものは全部戦争に向けられるから」
「娯楽がなくなっていくか」
「真っ先にね、それでサハラはね」 
 この地域はというのだ、千年に渡って戦乱が続いていて多くのものがその中で失われた地域はというのだ。
「もうね」
「こうした勝負もしないか」
「うん」
 実際にというのだ。
「そうなんだ」
「難儀なことだな」
「全くだね、しかし」
「しかし?」
「娯楽がある方がいいよね」
 菅はフックにいつもの無表情な顔で問うた。
「やっぱり」
「ああ、それはな」
 菅もそうだと返した。
「何といってもな」
「そうだよね」
「平和な方がな」
「それが一番だな」
「だから意図的に平和を乱す人はね」
「気をつけないといけないな」
「絶対によからぬ意図があるから」 
 平和を乱すそれにはだ。
「だからね」
「戦争だの言う奴はか」
「それをしきりに煽るならね」
「そいつの話は聞いたら駄目か」
「戦争は否定出来ないけれど最後の最後だよ」
 まさにというのだ。
「そうした手段だからね」
「それをしきりに言う奴はか」
「普通の人じゃないからね」
「カルト教団みたいな奴か」
「それか革命目指してるとかね」
 そうしたというのだ。
「危ない人だから」
「話は聞くべきじゃないか」
「うん、そう思うよ」
「その言葉覚えておくな、じゃあ少し休んでな」
「それからだね」
「ブランデー飲むな」
「それじゃあね」
 菅はフックのその言葉に頷いた、そうして胃薬を飲んで少し休む菅に今度はこう言った。その言った言葉はというと。


カルボナーラ   完


                   2020・11・16
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