未来の結末
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バー!」
完全な棒読みで俺は急いで部屋を出て行った。
「月火のせいで、逃げられたじゃない。」
雪蓮は不満そうな声をあげながら、扉付近にいる月火に話しかける。
「えっ、何か大事な話をしていたの?」
展開が読めていない月火は申し訳なさそうにしながら言う。
「ある意味で大事な話だったな。」
笑いを堪えながら冥琳は言う。
縁が珍しく動揺している姿を思い出しているのだろう。
「さて、俺も出発するか。」
そう言うと華陀は椅子から立ち上がる。
「助かった、華陀。」
「何、俺は医者だ。
病人を救うのが仕事だからな。
しばらくは安静にしておいてくれよ。」
「今度近くを通ったら、尋ねてね。
その時はお礼をさせてもらうから。」
「では、近くを通ったら寄らせてもらうよ。」
そう言って華陀も部屋を出て行った。
ふと、雪蓮は月火が大きな荷物を持っている事に気がついた。
「月火、どこかへ出かけるの?」
「うん?
ああ、言ってなかったね。
私は関忠の旅に同行する事に決めたの。」
「うっそぉぉぉ!!!
じゃあ、貴女もここから出て行くの!?」
「ま、まぁ、そうなるかな。」
あまりの雪蓮の声の大きさとリアクションに、少し圧倒されながらも月火は頷く。
「えええ〜〜〜!!
これじゃあ、政務などでしか時間が潰せないじゃない!」
「雪蓮、いい機会だ。
お前はこれから呉を担う存在。
これをきっかけにきちっと、仕事をしてだな。」
「どうして、縁について行こうって思ったの?
貴女、私がどれだけ誘っても入らなかったのに。」
冥琳の言葉を無視して、雪蓮は月火に聞く。
自分の言葉を無視している事に気がついた冥琳だが、月火が縁について行く理由が気になるのか、説教は後回しにして月火の言葉に耳を傾ける。
「明確な理由はないの。
何て言うのなかな、彼について行きたいって率直に思ったの。
彼について行って、彼が目指す世界を見て見たいって。」
少し恥ずかしげに月火は言う。
その言葉に少しだけ納得したのか。
「言いたい事は何となく分かるかも。」
「私も雪蓮の言葉に同意だ。」
部屋に戻って出立の準備をする。
あの時、太史慈が入って来なかったらどうなっていたか。
入ってこなかった時の事を考えると恥ずかしすぎて死ぬな。
荷物を纏めて、城の入り口付近に向かう。
そこが集合場所になっている。
そこに向かうと、一刀達や孫堅が待っていた。
「すまん、待たせたみたいだな。」
「それほど待っておりません。」
「だな、俺達も来たばかりだし。」
星と一刀がそう言う。
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