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我が剣は愛する者の為に
未来の結末
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刀を掴んで、一気に鉄鞭を押す。
一瞬だけ持ちこたえるが、俺の力の方が強く、後ろに下がってしまう。
距離を詰めて、刀による素早い連撃を繰り出す。
二刀の鉄鞭で斬撃を受け止めるが、徐々に速度を上げていくのに対応が遅れていく。
そして、片手に持っている鉄鞭を上空に弾く。

「くっ!?」

そのまま空いている右手でもう片方の鉄鞭を掴む。
これで動きはある程度固定した。
刀を首筋に当てて、勝敗が決した。

「完全に私の負けね。
 もうちょい行けると思ったんだけどな。」

上空に弾いた鉄鞭が地面に落ちているのを拾いながら、太史慈は悔しそうに言う。

「良い修行になった。
 これで汗でも拭いてくれ。」

刀を鞘に収め、一度も使っていない手ぬぐいを太史慈に渡す。
彼女も俺も少し汗を掻いていた。
俺から手ぬぐいを受け取り、汗を拭いている時だった。

「関忠、聞いても良い?」

太史慈は突然、俺に聞いてきた。

「何だ?」

「丁奉さん相手に手加減したのって本当?」

あの森の中で一刀に聞いた話を思い出して、疑問に思った事を聞きたかったのだろう。

「まぁ、嘘ではないな。」

「自分が殺されるかもしれないのに?」

「俺は死ぬつもりもなかったし、豪鬼も殺すつもりもなかった。
 ただ美奈が怪我をしている父親を見たら、悲しいだろ。」

「だから、手加減をしたのね。」

その言葉に俺はゆっくりと頷く。
彼女は真剣な眼差しで俺を見る。

「最後に。
 どうして王を目指すの?」

その問いに俺は即答する。

「俺の大事な人を守るために。
 そして、悲しんでいる人々を出来る限り救うためだ。」

あの日から心に誓った事を俺は答える。
太史慈はその言葉を聞いて、少しだけ笑みを浮かべた。
それを見た俺は少しだけ首を傾げる。

「関忠は面白い人ね。
 語っている言葉は多くないのに、貴方が掲げている決意は誰にでも思い浮かぶかもしれないのに、貴方について行きたいと思わせてしまう。
 不思議な魅力の持ち主だ。
 だからこそ、北郷さんや丁奉さんや趙雲さんが貴方について来るのね。」

「俺にそんな魅力があるかは分からない。
 でも、俺の後ろをついてくれる仲間がいるのなら全力で彼らを守る。」

「なるほど。
 なら、私もその仲間に入らせてもらうわね。」

「えっ?それって・・・・・」

「これからは私も貴方達の旅について行かせて貰ってもいい?」

「そりゃあ、俺達は大歓迎だけど。」

「なら、問題ないわね。
 早速準備しないといけないわね。」

張りきったような口調で、太史慈は中庭を去って行く。
あまりの突然の決定と展開に俺は少しだけその場に立ち尽くした
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