暁 〜小説投稿サイト〜
さすが呉島主任だ!
#1 ノブリス?オブリージュ
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に手を強引に引っ張られ、人混みの中へと押し込まれる。しかしこのおばちゃん、やけに握力が強い。そして爪が長い。結局手を振り解くことができず、最前列へと並ぶことになった。

目の前には2人の少女がものすごい目つきで荒い息をしながらお互い睨み合っている。頬が若干火照っている辺り、酔っているのだろうか。しかし彼女達を見る限り背の低い方は未成年に見える。ここは未成年の飲酒は禁止されていないのだろうか。だが人々の使う言語は日本語。ここが日本のどこかだと思うから普通に未成年者飲酒禁止法に当たる気もするが。

「今日こそ」
「決着を!」

がなるような叫び声で俺の視線は再び少女達に戻される。しかし一人分のセリフを2人で言う辺り、かなり仲が良さそうに見えるのだが、2人からはそれ以上の気迫を感じる。野次馬達は一歩引き下がった。一体何が始まると言うのだろうか。

「いくぞ。萃香!」

そう言って背の高い方の少女が取り出したのは…過去の遺物、『戦極ドライバー』
俺は思わず目を見張る。
ありえない、一体何故それを持っている?こんなに平和な繁華街で。
戦極ドライバーは俺が海外を渡り、回収してまわっている。こんなに普通の繁華街にベルトが流れているとは想像もつかない。
戦極ドライバーはヘルヘイムの脅威がさった今、それは必要のないものだ。

『クルミ!』

ロックシードのシステム音声で俺の意識は現実に引き戻される。気がつけば背の高い少女はドヤ顔でロックシードを構えている。
腰には見たことのないライダーの横顔がライダーインジゲーターに描かれている。頭上にはクラック。そしてクルミ型のアーマーパーツ。
俺はもう1人の方に目をやる。当然、背の低い少女もベルトを腰に装着している。そして手に持っているロックシードを開錠した。

『パ イ ン』

2人はベルトを操作し、アーマーパーツが降り切る前にお互いの名?を叫びながら走り出した。

「萃香あああああ!」
「勇儀いいい!」

クルミボンバーとパインアイアンがぶつかり、激しい音が辺りに響く。

「まだまだぁ!」

背の低い少女はそういうと俺の視界から消えた。そのかわり周りに霧が発生している。
馬鹿な。戦極ドライバーにそのような機能は搭載していないはず。

「あまい!」

一瞬、攻撃のために背後に姿を表した少女をパインアイアンでノールックでヒットさせ、怯んだ一瞬の隙をつきストレートを放った。拳はクリーンヒットし、仮面が半壊し、背の低い少女は吹っ飛んでいった。
これにまた俺は違和感を覚える。確かにパインはパワー系のアームズだが仮面を破るほどのパンチ力は無いはずだ。彼女達の戦極ドライバーには何か仕掛けがあるのか?

「よっしゃ!」

「負けたー…」

どうやら勝ち負けは変
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