マザーズロザリオ
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インプアマゾン》が対応する前に、千鳥が二閃。インプの悪魔の翅は、それにより切り落とされた。
「うわっ!」
飛行手段を失った木綿季は、そのままガラスへ激突。雨の世界へ投げ出された。
可奈美はそれを追いかけて、病院の外へ出る。
「木綿季ちゃん。まだ戦うんだよね?」
可奈美のその言葉に、木綿季は「当然」と返事した。
「えへへ……すごいよ。まさか、空を切り落とされちゃうなんて」
「……」
つまらない。
「じゃあ、次は僕の番! 僕が驚かせてあげるよ!」
つまらない。
「ほら! 受けてみてよ!」
木綿季の突き技。木綿季の黒曜石のレイピアは、雨を切り裂く輝きを放っていた。可奈美の正面でまっすぐ構えた。
それは、可奈美には、止まっているようにも見えた。可奈美に反応を許す時間でもなかったが、彼女がありったけを剣の先に込めているのが分かった。
「やあっ!」
木綿季の右手が閃く。可奈美の体へ、右上から左下に、神速の突きを五連発。
「がっ!」
そのあまりの速さは、可奈美でも受けきれない。
続いて、左上から右下への五発。突き技が一発命中するたび、凄まじい炸裂音が鳴り響き、可奈美を守る写シがどんどん削がれていく。
十字に十発の突きを放った木綿季は、もう一度全身をいっぱいに引き絞ると、最後の一撃をその交差点に向かって突き込んだ。青紫色の眩い光が四方に迸り、可奈美の痛みが全身に放射線状に広がった。
「ぐあっ!」
写シの解除。それを貫通してきた、生身へのダメージ。
びちゃびちゃと水たまりを弾きながら、可奈美の体が吹き飛ばされる。
「うう……」
起き上がろうとするも、もう全身に力が入らない。顔が水たまりに沈み、右目だけが木綿季を捉えている。
「可奈美! もう終わり?」
木綿季の声が遠くに聞こえる。
「すごかったでしょ? 私が編み出した必殺技! この前は失敗したけど、今度はしっかりできたよ! 可奈美だって倒せるくらいの技!」
意識が朦朧としていく。やがて、可奈美の世界は、木綿季から完全なる闇の中へ___
『ほら、しっかり! まだ負けてないよ! それに、あの子にこんな重圧背負わせていいの? あの子、このままじゃ本当に怪物になっちゃうよ? 姫和ちゃんだけじゃなく、木綿季ちゃんも救えなくなっちゃうよ? それでもいいの?』
___いいわけないじゃん。でも___
『身勝手かもしれないけどさ。あの子のためだよ』
___それって
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