マザーズロザリオ
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いたんだ……アマゾンだったから、回復していたんだ……」
それが正解だというように、木綿季は無邪気に攻め立てて切る。ヒットアンドアウェイで、攻撃の時のみ地上に降りてくる。地下では戦いにくいと判断した可奈美は、階段を駆け上がり、入ってきた食堂まで戻ってくる。赤い模様がついたテーブルを蹴り飛ばし、椅子を投げて木綿季の狙いを反らす。
怯んだところへ、可奈美は千鳥で斬りつける。だが、木綿季はすぐに回復し、左手で可奈美を壁に押し飛ばす。
「うっ!」
息を吐き出した可奈美は、そのダメージにより生身に戻ってしまう。再び白い霊体になった直後、木綿季に黒曜石を突き立てられた。
「ぐっ……木綿季ちゃん……」
痛みのあまり、意識が飛びそうになる。可奈美は右胸___生身であれば、ちょうど心臓にあたる部分の剣を抜こうとする。
「ねえ、どう? 僕、強くなったでしょ?」
可奈美に顔を近づける木綿季。人間としての姿ではなく、アマゾンとしてのそれが、可奈美に見たくないという気持ちを強くした。
黒曜石の剣を抜いたと同時に、写シが解除される。階段に落ちた可奈美の頭上で、木綿季がケラケラと笑っていた。
「ねえ、どうしたの可奈美?」
「どうしたって……」
「僕の勝ちってことでいい? それじゃあ、いただきます!」
続いて、食欲を曝け出しながら、木綿季が襲ってくる。可奈美はそれを転がってよけるが、階段の段差により、数段転がり落ちる。
「あれ? 可奈美! どうして避けるの?」
可奈美よりも下の段に降りた木綿季が、再び可奈美へ迫る。生身のまま、千鳥で黒曜石の剣をガードするが、そのまま木綿季は階段を飛翔、階段入り口の扉を破る。
「うわっ!」
食堂を転がりながら、可奈美は木綿季が着地するのを見届ける。
窓際まで投げられたことで、可奈美の耳には、雨が窓をたたく音しか聞こえなかった。
「可奈美。さあ、ここなら広いよ? 立ち合いの続き、やろう?」
「……あああああああああああああ!」
可奈美は悲鳴を上げながら、千鳥を抜刀。
「分かった……分かったよ! やろうよ立ち合い……! やればいいんでしょ!」
これまでこんな気持ちで剣を持ったことがあっただろうか。可奈美は木綿季をきっと睨む。
「そうだよ可奈美! やろうよ!」
木綿季は風のような速度で斬りかかる。可奈美はそれを受け流しながら、その頭を足場に跳ぶ。
「え?」
|木綿季《
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