プロローグ
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さらに踏み込んで近くの男を斬り殺す。ナイフが私の目を貫く。
私は、胸を撃ち抜いた男を右目を刺し貫いたナイフを抜いて首を貫いて殺す。
手榴弾が投げ込まれる。咄嗟に蹴り返して首から血を吹き出す男を盾にして爆風から身を守る。
モウモウと立ち込める煙の中を私は突っ込む。無造作に撃ち込まれる銃弾は私の身体を貫く。だが即死の箇所を重点的に護る。
左腕が肩から吹き飛んだ。だが右腕があるから支障は無い。
銃弾が私の身体を撃ち抜いた方向に縮地歩法で踏み込んで右肩から左腰の斜めに斬り断つ。
ズレテ地に伏す男には目もくれず私は残り二人と剣狼と相対する。
「まさか右肺に穴が空いて右目を貫かれた状態で三人も殺られるとはな……流石と言いようがないなぁ。だがそんな傷で俺達を殺せると思っているのか?」
「はぁはぁはぁ。殺……せる………じゃな…く……殺す……んだ……」
私は霞んできた目に力を入れて感覚が殆どない残った右腕に喝を入れて残った息を吐く。
「私の……全身……全霊……を掛けて……此処で……殺……す……!!!!」
私は咆哮を上げ斬り掛かる。
振り下ろす剣。一人の体を断つ。横からナイフが飛来し私の側頭部に突き刺さる。
直ぐには死なない。私は側頭部に突き刺さったナイフを思いっきり振り絞って投げた。
私の投げたナイフは最後の幹部の心臓を貫いた。
「おいおいおい、頭にナイフ刺さって何で死んでねぇんだ?本当に人間か?」
「あ………ぐ………っ!」
意識が朦朧とする。流石に頭に突き刺さっては耐えきれない。
けど、こいつだけでも道連れに………
私はその場で一回転。
まさしく全身全霊を込め、投擲された剣は確かに剣狼の心臓を貫いた。
意識が朦朧とするなか………私は確かに見た。
喜び、歓喜した、私が護り抜いた者達の、姿を。
「が……いい」
声が聴こえる。
頭を貫かれ死んだ筈の私の耳に声が入った。
「(私は………死んだのでは………無いのか?)」
「起きるが良い。騎士王アルト」
私は痛みが走る体に眉をしかめながら目を開ける。
私は見たことの無い世界にいた。
地面も、空も、周りも、全てが真っ白い世界。
地面が無いのに私は寝そべている。
「目が覚めたかの」
そして、私を見下ろす白い老人が立っていた。
その老人を見た瞬間、私の背筋に寒気が走った。
そこに居るのに気配がしない。知覚出来ているのにまるで幻影と相対しているかのようだ。
私が百人いて束で挑み掛かったとしても傷一つ付ける事も出来ずに殺されるだろう。
私は震える体に力を入れながら起き上がる。
「あなた様はいった
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