第三章 リベン珠
第9話 メタボになるよ:後編
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感がある事か」
「いえ、そういうディープな話は聞きたくありませんから」
鈴瑚は勇美が踏み入れてはいけない領域の話に突入しそうになるのを制止したのだ。その判断は全くを以て英断だったと言えるだろう。
「そもそも、その行為は戦闘に関係ないじゃないですか? 何考えてんですか?」
「え〜。でも鈴瑚さんだってお団子を食べると強くなるじゃないですか〜?」
「私の能力をあなたの変態趣味と一緒にしないで下さい!」
誠に遺憾であった。自分の力をそのようなふざけた概念とない交ぜにされるとは。名誉毀損もいいところだと鈴瑚は憤慨するしかなかった。
「そもそも、パンツ脱いで強くなる訳がないでしょう?」
「いいえ。強くなる、と思えば 強くなる、と思います」
「いや、何ですかそのどこぞの戦場カメラマンのような言い回しは?」
ツッコミを入れつつも鈴瑚は懐かしく思った。そういえばそういう人が一時期話題になったなあと。
だが、敢えてここは言っておかなければいけないだろう。
「取り敢えず、パンツ脱ぐのは禁止ですからね!」
「ぇ〜……」
鈴瑚にそう最終宣告をされて、勇美は満足に声にならない呻き声を喉の奥から絞り出した。
と、このようなふざけた話が勃発してしまったが、ここで意識を元に戻さなければいけないだろう。
「こうなったら仕方ないですね。次の手を打つとしましょう」
そう言って勇美は、汎用性の高いプレアデスガンから神の力を送還させて解除し、次なる神に呼び掛けようとする。
「では『マーキュリー』様、お願いします」
そう言うと水の神の力が勇美の分身の機械へと取り込まれ、新たな姿形が生み出されていく。
そして、造り出されたのは機械仕掛けの盗賊であった。
「【盗賊「マシンシーフ」】ですよ。それでは行きますね」
勇美がそう言うと同時に盗賊はその足を踏み込むとその勢いに乗って鈴瑚に迫った。
当然それに対して身構える鈴瑚であったが、ここで気付いたようだ。
(は、速い……!)
それが彼女の率直な感想であった。身のこなしには自身がある自分から見ても、この機械の盗賊の素早さは磨きが掛かっていたのだ。
鈴瑚が驚愕する中、マシンシーフはためらう事なく腰に装備したナイフを一気に引き抜いた。
「くうっ……」
鈴瑚はそれをガードするも、その余りの素早さに相手の攻撃を完全に相殺する事は叶わなかったのだった。
ナイフの斬撃により、僅かにだが切られてしまった鈴瑚。それを見ながら鈴仙は感心していた。
「あれって、勇美さんが初めて弾幕ごっこに使った方法よね……あの時よりも格段に身のこなしが上回ってる……」
そのように勇美の昔と今を比べて感慨深いものを感じる鈴仙であった。
対してこのまま易々とやられる鈴瑚ではなかった。この状況を打破すべく彼女は
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