第三章 リベン珠
第8話 メタボになるよ:前編
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」
その声の主は、守矢神社の主の一人たる諏訪子からのものであった。
「あ、丁度準備が出来たみたいですね」
鈴仙は諏訪子の声を聞いて、したり顔となって勇美に言うのだった。
「あれ、諏訪子さん? でも起きるのは早くないですか? 私達が早く起きたのは予定になかった事ですし……」
当然の疑問を勇美はぶつける。そうだろう、こうして自分と鈴仙が朝早く起きる事は決まってはいなかった事だから。
「まあ、私と神奈子は神様だからね。これくらい文字通り朝飯前だよ」
「あはは……神様だからですか……」
そう言われて勇美は深く考えない事にしたのだった。その領域は人知の及ばない所だろうから。
「それじゃあ、お言葉に甘えさせてもらって、早めの朝ごはんを頂かせてもらいますよ」
なので勇美は気持ちを切り替えて諏訪子にそう言うのだった。
そして勇美と鈴仙の二人は、守矢の二柱が早く起きて用意した朝食にありついた。
ちなみに早苗はまだ起きていない。彼女は神の力の注がれた『現人神』であろうとも器は人間なのだ。だから二柱に合わせさせる無理強いは出来ないというものである。
その朝食はご飯に味噌汁、焼き魚、漬物と言った素朴なレパートリーであったが、これぞ和食の朝食の醍醐味というものだろう。
そして、そのしっかりとした味付けに勇美と鈴仙は舌鼓を打ちながら食し、朝のエネルギー補給と味の楽しみを滞りなくこなしていったのだった。
朝食が済んだ後、勇美と鈴仙は後片付けを手伝おうかと申し出たのである。
しかし、その気遣いに二人は及ばないと言ったのだ。
他でもない、二人は今異変解決に向けて動いているのを考慮しての事であった。それに対して妨げなく行う為に余計な労力を使わせてはいけないとの事である。
そういった二柱の計らいもあって、勇美達の出発の準備はスムーズに行われていって今に至る訳である。
「それでは、神奈子さん、諏訪子さん。色々とお世話になりました」
「こっちこそ楽しい時間を過ごせたから、有り難うね」
「それじゃあな。幻想郷を護りたい気持ちもあると思うが、余り根詰めてやるんじゃないぞ」
そう言ったのは神奈子であった。その言葉は二人を気遣っての本心であった。
「はい、心に留めておきますよ」
「同じく」
その配慮に二人は嬉しくなり、こうして気に掛けてくれる者達がいる事に心強さを感じた。
「それでは、ありがとうございました」
「あ、ちょっと待って」
これで暫しのお別れ、そう思いながらこの場を離れようとした鈴仙に対して諏訪子が呼び止めた。その際にも鈴仙のしわくちゃ耳がピクンと動いた。
「どうしましたか?」
「大した要件じゃないんだけどね、この異変を解決したら、そのウサ耳貸して欲しいなぁ〜って♪」
「微妙に私に死亡フラグを立てないで下
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