第三章 リベン珠
第6話 遂に現れた存在:後編
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
玉兎:清蘭と始まった弾幕勝負。その中で彼女は鈴仙よりも弱いだろうと思われた勇美を狙うという、非情だが勝負においては理に敵った戦法を取るのだった。
勇美にグイグイと迫る弾丸。だが清蘭は今、些か読み違いをしたかも知れなかった。
「清蘭さん、いい判断ですね。でも、依姫さんから聞いていませんでしたか?」
得意気に言う勇美。そしてここで彼女は今回の旅の弾幕ごっこで初めて『例のもの』を見せようとしていたのだった。
「そうね、今回は『韋駄天』様に『金山彦命』でお願いします」
「?」
何を言い出すのだろう。そう清蘭は思わず首を傾げるてしまう。そんな彼女に勇美はその答えを示していく。
勇美の側に機械仕掛けの小動物が現出したのだ。
「一体何を……?」
「驚くのはまだ早いですよ♪」
清蘭が目を見張る中、勇美は得意気に言ってのけた。
その言葉の後、勇美の前に二柱の神のビジョンが現れ、それが機械の生物へと取り込まれていったのである。
神を取り込んだ勇美の相棒『マックス』は、一旦その場で解体され、金属片と歯車へと変貌して辺りに四散した。
そして、散り散りになったマックスは各々の場所で新たなる姿へと生まれ変わったのであった。
それは、小型の人工衛星のような様相であった。その名前を勇美は宣言する。
「【甲翼「シールドエアフォース」】!」
その宣言をする間にも、清蘭の放った弾丸の群れは刻一刻と勇美へと向かっていたが、当の勇美は全く慌てずに『それら』に指示を出した。
「シールドエアフォース達、向かえ撃って!」
その主の指示に、その飛行物体は瞬時に従ったのである。それらは一挙に行動を行ったのだ。
迫って来た清蘭の弾丸の一つを、飛行物体の一つは無駄のない動きで体当たりをして弾き飛ばしたのである。その弾丸は実体ではないが故に体当たりを受けると水のように消し飛んだ。
その課程を勇美は、さながら流れ作業の如くやってのけていった。相手の弾丸に合わせてこちらも防御に優れた衛星を差し向ける。
それは、勇美が伊達に今まで幻想郷の少女達との弾幕ごっこで鍛えられてはいないという事であった。そう、勇美の経験は確実に彼女の糧となっていたのである。
そのように勇美はその実力の一部を清蘭に見せつけ、彼女の攻撃をことごとく防いでいったのだった。
どうやら清蘭の攻撃はここまでとなったようである。彼女は口惜しげに呟く。
「くっ、ここまでのようね……」
これにて、清蘭の第一手の『ルナティックガン』を勇美は見事にこなしたという事である。
これは、依姫が勇美の事を清蘭に伝えていなかったが故に、出鼻を挫く事に成功したとも言えるだろう。つまり、依姫はこういう事態を予期していたとも取れる訳だ。
第一手を防がれた清蘭は、ここで呟くように言う。
「勇
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ