第三章 リベン珠
第6話 遂に現れた存在:後編
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通りに、清蘭が弾丸代わりに放出したのは青白く燃えるような鷲状のエネルギーの塊なのであった。
それが羽ばたきながらこちらへと向かってくるのである。その様は正に雄々しい鳥そのものだ。
「すごい……」
「ええ、清蘭がこんな事出来たとはね……」
その光景には二人とも驚いているのだった。そしてこれは厄介だと鈴仙は思っていた。
弾丸ならば自分の狂気の瞳で軌道を逸らして相手に向ける事は出来るだろう。だが、こうもエネルギーの塊を放出されてはそれも敵わないだろう。
どうしたものかと思いあぐねる鈴仙。だが、一方で勇美の方は至って落ち着いていた。
「勇美、何か秘策があるのね」
その相方の様子に気付いた鈴仙はそう勇美に言葉を発したのである。
「ええ、まあ見ていて下さいね♪」
そう勇美は得意気にのたまったのだ。それには鈴仙も何か心強いものを感じ、それならこの場は勇美に任せられるかと安堵すら覚えるのだった。
鈴仙のその思いを背に受けながら、勇美はこの状況打破の為の手筈を整えていく。
「『愛宕様』に『金山彦命』よ、今こそその力を合わせて下さい」
そう言って勇美はマックスに火の神と金属の神の力をブレンドして備え付けていったのである。
それにより、まずその鋼鉄の体はみるみるうちに変型を遂げていき、気付けば機械の鳥型に変貌していたのだった。
「同じ鳥の形って訳ね、でもこの私の自慢の鷲は止められないわよ!」
そう言い切る清蘭。それだけこの攻撃には自信があったのだ。何故ならこのスペルは最近編み出したとっておきなのだから。
対して勇美の方も得意気であった。その理由を彼女は口にする。
「勿論、このままじゃ終わらないよ♪ 続いて愛宕様の力!」
勇美が言うと、彼女の目の前に顕現している機械の鳥は突如燃え盛ったのである。
「うわっ!」
これには清蘭は驚愕してしまった。鳥型への変型で終わるかと思われていた矢先にこのようなサプライズが待っていたのだから。
「それじゃあ行くよ。【機翼「メタルフェニックス」】!」
万を持して行われた勇美のスペルカード宣言。それを合図に炎を纏った機械の鳥は一気に加速を付けて突撃していった。
その先には、当然清蘭の放った青きエネルギーの鷲である。
「だけど、このサイコイーグルに打ち勝つ事は出来るかな!」
清蘭は不死鳥を真正面から受け止める気だ。そして赤と青の炎の鳥が激しくぶつかり合ったのである。
その間、互いにぶつかり合うエネルギーが激しく、文字通り火花を散らしていたのだった。
そして、そのぶつかり合いの決着は意外に早く済んだのである。
「うそ……私のサイコイーグルが……」
「今よメタルフェニックス。敵を盛大にぶち抜いちゃってぇー!!」
勇美のその掛け声に応えるように、不死鳥は一層激しく
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