第三章 リベン珠
第5話 遂に現れた存在:前編
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醍醐味であると。
そのような勝負方法を引き受けてくれた清蘭に改めて感謝するのであった。やはり弾幕ごっこを受けてくれる者とは分かり合えそうだと勇美は思うのであった。
一頻り玉兎二羽の弾丸のぶつかり合いは幕を閉じたのである。そして清蘭は呟いた。
「やっぱり鈴仙は玉兎の中でも優秀なようね。そして今でも衰えていない」
「ええ、地上に来てからも射撃の訓練は欠かしていなかったからね」
そう言い合う二羽は、まるで旧友に会ったかのように言葉が弾んでいたのだった。
それを見ながら勇美は「いいなあ〜」と思っていた。これが旧知の仲なのかと。自分にも外界で友達はいたが、こうも『何かが通じ合う』ような仲の者との付き合いは少なかったように思える。
でも……と、勇美はここで考え直す事にしたのだ。そのようなかけがえのない友人というものは幻想郷にて沢山出来たと、今彼女は実感出来るのだった。
故に思う。そういう意味でも大切な幻想郷を今自分と鈴仙の手で守っていかなければいけないのだと。
だから、まずはこの勝負には勝たなくてはと勇美は決意を新たにする。
そのような思いを勇美が馳せている中で、清蘭は話を続けていた。
「やっぱり鈴仙相手にまともな銃撃戦は分が悪いよねぇ〜。でも、相方の方はどうかしら?」
言って彼女が視線を変えた先には……勇美がいたのである。
「勇美とか言ったっけ? 悪く思わないでね?」
清蘭は無慈悲にそう言うと、容赦なく勇美に向けた銃の引き金を引き、弾丸状のエネルギーを発射したのだ。
その行為は些か非情と言えるかも知れない。だが、同時に立派な戦術でもあるのだ。戦場やスポーツでは弱点を突くのが真っ当なやり方なのだから。
そして、勇美は窮地に立たされる事となる。
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