第三章 リベン珠
第3話 動き始める事態
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勇美には、今のままで悠々自適に幻想郷を満喫している訳にはいかない事情があったのだ。
まず、彼女は依姫が月へ帰ってからというもの、定期的に欠かさずに手紙のやり取りをしていたのだった。それにより互いが無事に生活している事を確かめ合うに至っていたのである。
それがいつまでも続くものと思われていた。しかし、向こうからの手紙が半年前からバッサリと途絶えてしまったのだ。
それに対して真っ先に異常極まりないものを感じたのは他でもない、勇美である。
依姫と付き合いの長い彼女がその異常性を感じない訳がなかったのだ。真面目な彼女が手紙を欠かすなんて何か起こったに違いない、(頭にクソが付く程)真面目な彼女がそんな事をするとは一大事だと。大切な事なので二度言いました。
勇美がその事を、彼女にとって新しい我が家となった永遠亭の住人に相談すると、皆の空気がただならぬものとなったのだ。
それはそうだろう。彼女達は月から逃げてきてここに住む事を選んだ身の者達なのだ。故に月で何かが起こっているとなれば警戒しない訳がないだろう。
月から感じられる異変の兆候に対して、永琳はその時から研究を行い、何かの開発に取り組んでいた。それがもうすぐ完成すると勇美は聞かされていた。
そして、勇美自身も行動を起こしていたのだ。それが宇佐美菫子との関わりである。
菫子は都市伝説騒動を起こす際にオカルトボールなるエネルギー体を造ったのである。それは『ストーンヘンジ』のようなミステリースポットの力を封じ込めた七種類の代物となって幻想郷中に散らばっていった訳だ。
しかし、菫子が造ったオカルトボールは実は六種類だったのだ。後一つは彼女には心当たりのない物なのであった。
その一つに封じ込められていた力は『月の都』なのだった。
それが依姫の事に繋がるかも知れないと踏んだ勇美は、菫子と交流を図ると共にそのオカルトボール『月の都』の情報の提供と貸し出しをお願いしていたのだ。
そして、その『月の都』の力も永琳の手で解析が行われる事となった。その後、彼女はその出所に行き着くのだった。
『あの者が関わっている』そう答えに行き着いた永琳は、研究していた物の開発を急いだのである。その物がなければ地上に住まう者ではあの者に太刀打ちは出来ないだろうからと。
それから、更に事態は急展開する事となる。妖怪の山を始めとした幻想郷の各地で蜘蛛のような形状の大型の機械が出現し始めたのだ。
しかも、その機械が通った後は植物がペンペン草一つ残らずに枯れ果ててしまっていたのである。この事に戦慄しない幻想郷の住人はいないだろう。
そして、その機械の概要も性能も地上では見られない事は明白であろう。これも月が関わっている事は想像に難くない。
これらの事から、月で起こり始めた異変には最早一刻の猶
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