第三章 リベン珠
第3話 動き始める事態
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いい所ですよ!」
普段の彼女ならばこうも永琳に喰って掛かる事はなかっただろう。だが、それも鈴仙とて勇美の事を気遣っているが故であった。
確かに勇美の今までの活躍は目を見張るものがある。その成長ぶりは高評価すべきだろう。その事は鈴仙もよく分かっている。
しかし、相手が月の民であるなら話は別というものである。いくら活躍が目覚ましくとも、脆い人間一人を彼らに向かわせるのは鈴仙は気が進まなかったのだ。
だが、永琳はその正論を切り崩す答えを用意していたのだった。
「なら、ウドンゲが一緒に着いて行ってあげればいいじゃない?」
「「はえっ!?」」
その予想だにしなかった答えに、勇美と鈴仙は見事に変な声をハモらせてしまった。
「人間一人に任せられないなら、妖怪のあなたが着いて行ってあげればいいって事よ」
「……確かに正論ですけど……」
墓穴掘っちゃったかなあ、鈴仙はそう思うしかなかった。
そして、彼女とは別の理由で納得出来ない勇美はこう言った。
「八意先生、そういう事していいのですか? 異変ってのは基本的に一人で解決に向かうのが幻想郷のルールじゃないですか?」
「確かにそうね。でも例外もあったのよ」
そう言って永琳は昔の事を話した。それは他でもない、自分達が月の追っ手を警戒して幻想郷を彼らから隠す『偽の月騒動』の時の事である。
その時は四つの勢力が、二人一組になって異変の解決に来たものだった、そう永琳は語ったのだ。
「その発想を、今度は私達が利用してやろうと思ってね」
「なるほど〜♪」
永琳の悪知恵に、勇美は感心するのだった。そういう策を練って挑む事は彼女は嫌いではなかったからである。寧ろそういう方向性に走るのが勇美は好きなのだ。
「これなら万事OKですね。タッグを組むのも問題じゃないし、鈴仙さんも着いて来てくれて百人力ですよ」
「ううむ……」
唸る鈴仙だったが、ここは自分の負けを認めるしかない。多数決というのは無情である。
だが、彼女もそれで良かったと思う一面もあった。センスはあるが危なっかしい勇美の側にいてあげられるのだから、鈴仙にとっても損はないというものだろう。
それに、勇美と一緒に異変解決に向かえば、自分にとってもいい経験になるだろうとも感じるのだ。それだけの言葉では言い表せない何かを勇美は持っているのだから。
だから、彼女の言葉は決まっていたのだった。
「勇美さん、これからよろしくね」
「はい、こちらこそよろしくお願いしますね♪」
ここに、勇美と鈴仙の月への冒険が幕を開けたのである。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
[おまけ]
勇美「それじゃあ、早速紺珠の薬を飲んでおかないとね」
永琳「はい、どうぞ」
勇美「びゃああ゛〜うまひぃい゛〜ぃぃぃ〜」
永琳「私が半年掛けたて作っ
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