第三章 リベン珠
第2話 新たなる友:後編
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てかわし切る事が出来たと。
この力を使ったのは、確か魔理沙との戦いの時であった。だがあの時は途中で彼女の攻撃をかわし切れずにダメージを負ってしまったものである。
だが、今は同じ力を使い、あの時の二の舞にはならなかったという訳なのだ。
つまり、勇美がかつての時よりも上達している事の証なのであった。その事に勇美は気付いて、嬉しさが胸の内に込み上げて来る心持ちとなるのだった。
(でも、今は……)
だが、勇美はここで気を引き締め直す。今は勝負に勝つ事に集中すべきなのだ。故に自分の上達っぷりを噛み締めるのは勝ってからで良いのである。
そう思い、勇美は戦いに向き合うべく、まずは足に装備したダンシングシューズの解除を行ったのだ。
ガチャガチャと音を鳴らして、機械の靴は瞬く間に解除されて消滅してしまった。それを見ながら菫子は言う。
「勇美のその能力、かなり珍しいわね」
「菫子さんの力こそ、幻想郷で暮らしているとかなり珍しいって気付かされますね。だから、この勝負が楽しいんですよね」
「楽しい……か」
人との関わりの中で自分がそのように言われるのは久方ぶり、いや、もしかしたら初めてかも知れない。菫子はそう思いながら感慨に耽るのだった。
これにより、ますます友達を作るのも悪くないと想い至る菫子であった。自分との関わりにより喜んでくれる者を前にして嫌な気持ちになる人はそう多くはないだろう。
そして、自分達の勝負を見に集まってくれている人達にも期待に応えなくてはならないだろう。故に菫子はここで決心するのだった。
「勇美、この勝負みんなが楽しいものにしましょうね♪」
「望む所ですよ菫子さん♪」
ここに二人の気持ちは一緒になったようだ。だが別に一つにする必要はないのだ。それは楽しみ方は各々が気の赴くままに行えば良いのだから。
その想いを胸に菫子は次なる行動に出る。
「にとりさん、次の水お願いね♪」
「あいよ!」
菫子の申し出にもにとりは嫌そうな態度は一切見せずに快く承諾する。彼女とて二人が展開していくショーには心踊るものがあったのだ。
そして、にとりは自身の能力にて新たな水を生成して打ち出し、菫子へと提供する。それを菫子は超能力で受け止めて再び空中へと固定した。
「これだけあれば十分ね」
そう呟き菫子は満足気な態度を見せる。その様子は何やら企んでいるかのようであった。
「何をする気ですか?」
そんな菫子の様子を、当然勇美は訝る。対して菫子はさらりと答えて見せた。
「いや、何。ここは『目には目を』と思っただけよ」
「?」
未だ要点を見せない菫子に、勇美は思わず首を傾げてしまう。一体この人は何を企んでいるのだろうか?
勇美がそう思っている中で、とうとう菫子は行動を起こした。彼女は懐からある物を取り出し
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