第三章 リベン珠
第1話 新たなる友:前編
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だのだ。
すると、そこから水の一部が押し出され、弾丸となって発射された。それが向かう先には当然勇美がいたのである。
「危なっ……!」
咄嗟にそれを勇美は紙一重でかわす。今までの弾幕ごっこで培われたその身のこなしは伊達ではないのだ。
そんな勇美に対して、菫子は挑発的に言う。
「どう、目は覚めた?」
「ええ、お陰でバッチリです」
対して、勇美も強気の発言で受けて立った。そう、これはあくまで弾幕ごっこなのである。『魅せる』事が大事でありつつも、勝負はきっちりと付けるのが礼というものなのだ。
その事を、今の勇美も改めて認識したようだ。いつまでも相手の生み出す芸術に酔いしれてはいられないというものだ。
「お目覚めの所悪いけど、このまま攻めさせてもらうからね♪」
言うと菫子は再び念力の籠もった拳を水球へと打ち込み、水の弾丸を発射した。だが、今回はこの一発だけでは終わらなかった。残る左の手にも念を籠めると、それも同じように水球へと打ち込んだのである。
そうして、二発、三発と水の弾丸は撃ち出されていった。それが勇美に刻一刻と迫っていった。
「当然だけど、私もスペルを発動しないといけないよね」
言うと勇美は、自身の機械の分身であるマックスをその場に顕現させた。見た目は機械で出来た小動物のようであるそして、そこに依姫との契約によりお借り出来るようになった神降ろしの力で神の力をそこに籠める。
籠める神の力は『天津甕星』である。それによりマックスは小動物の姿から未来風の片手銃へと変貌を遂げる。
「それじゃあ私も行きますか。【星弾「プレアデスブレット」】」
弾丸には弾丸である。勇美は初手でお得意の星の銃を使って、迫り来る水の弾丸へと銃口を向け、引き金を引いた。
それにより、水の弾丸は星の弾丸に撃ち抜かれ、その形状を保てなくなり弾け飛んでしまったのである。
そして、その光景もまた神秘的だったのだ。ライトアップされた水の弾丸に、星のように光輝く弾丸がぶつかり弾ける様は予め計算されているかのような緻密な芸術性が存在していた。
それに対して、ギャラリーはまたしても感嘆の声をあげてしまう。その事を実感して勇美は、この催しが実にうまくいっていると噛み締めるのだった。
だが、これはパフォーマンスだけでは終わらない、れっきとした『勝負』なのである。だから勇美は人々の喜びだけで満足しには行かなかったのだ。
「やるからには、勝たせてもらいますよ!」
そう言って勇美は狙いを残った水球へと向ける。
「まずは、これを撃ち抜かないとね」
そう思ったら吉日、善は急げというものである。厄介な水の弾丸を撃ち出す核とも言えるあの水の塊を粉々に打ち砕いてしまおう。
その狙いの元、勇美は手に持った未来銃の銃口を菫子の操る水球へと向ける。そし
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