最終章:無限の可能性
第273話「その想いは、決して阻めぬ祈り・前」
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“祈り”をどんどん開放していく。
神界の存在相手でも劣らない威力の極光で、一気に“天使”を薙ぎ払う。
「な、ここに来て……ッ!?」
一人、二人と“天使”の“領域”が砕けた。
これで数も減り、司の逆境を若干覆した。
「………」
「……弾切れのようだな?」
「っ………!」
だが、そこでストックしていた“祈り”が尽きる。
実際はまだ残ってはいるが、それでも今使える“祈り”はなくなった。
「でも―――」
「数が減った所で、こちらの有利は変わりない」
「っづ……!」
理力の衝撃で司は打ち上げられる。
直後に追撃の極光が司を襲うが、シュラインを盾のように構え、耐える。
「ぁぐっ……!?」
何度も耐え、先手を取られた上でのカウンターも繰り出す。
しかし、それだけでは倒し切れない。
最早、以前の戦いの焼き増し。
そんな劣勢に司は追い込まれていった。
「っ………!」
既に数えるのも億劫な程吹き飛ばされた司が、ついに膝をつく。
“祈り”を切らしてから倒せたのはたった一人だけだ。
未だ司が圧倒的不利なのは変わらず、こうして瀕死になっていた。
「以前よりも随分としぶといな」
「けほっ……だって、絶望する必要がないからね……」
ここまで打ちのめした事と、それまでカウンター以外成す術がないと判断した事から、神は普通に司と会話した。
対し、司は不敵な笑みを浮かべながら神の言葉にそう返す。
「……なに……?」
その時、神が違和感に気づく。
“領域”または“意志”が削れていけば、それだけ回復に時間がかかる。
その事から、瀕死状態の司を見て追い詰めたと判断したが……
「もう、十分かな」
目の前の司が、全快して普通に立ち上がる。
「シュライン、行けるよね?」
〈当然です〉
シュラインはそれだけ言って再び沈黙する。
同時に、司の腰回りを周回するように、プリエール・グレーヌが浮かぶ。
「………」
淡い光が司を包み、消えていく。
それを受け入れ目を瞑っていた司が、改めて神達を見る。
その瞳には、決して神に劣らない強い“意志”の力がこもっていた。
「くっ……!」
その何とも言えない威圧感を受けながらも、“天使”が先手を取る。
踏み込もうとした司の懐に肉薄し、掌底を―――
「はぁっ!」
刹那、司が踏み止まるように足を振り下ろす。
その瞬間、“祈り”が爆発する。
「なっ……!?」
“天使”達が吹き飛ぶ。
それを尻目に、司はシュラインを回して構え直す。
「このっ……!」
今度は残
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