ホーネットと巡るブルネイ鎮守府探訪・2
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えば戦車や普通の艦船の砲弾や銃弾には加工出来るんじゃないの?」
「えぇ、出来ますね」
「なら、そうすれば人間は奴等と対等以上にーー」
「そこが提督の危惧する第三のデメリットですよ。確かに深海鋼は深海棲艦にも劇的な効果を及ぼします。ですがそれと同時に、深海鋼の砲弾は私達艦娘をも一瞬で殺してしまうんです」
「犯罪者に流れたら、とでも言うの?」
「それもありますが、提督は寧ろ私達と人間が争う可能性を危惧しておられます」
「私達と人間が?」
馬鹿馬鹿しい、とその考えを否定しようとしたが、すぐには出来なかった。僅かにだが、その可能性も『有り得る』と思ったしまったから。艦娘保有国でも、艦娘排除論者は一定数居る。それこそ、軍内部にもある程度の規模の派閥が出来上がる程度には。そこに艦娘に頼らずとも深海棲艦を殺せる武器が登場したとしたら?人かすらどうか怪しいと考える排除論者は嬉々として艦娘と深海棲艦を諸共に始末しようとするだろう。そうなれば、深海棲艦も巻き込んで艦娘擁護派と排除論者による世界大戦の可能性すら出てくる。
「提督はお優しい人です。見た目は恐いですけど、とても温かい心を持った人ですよ」
「出来れば私達もこんな物に頼りたくはないんですがね。それでも、有用な物は全て使ってこの争いを鎮めると覚悟してますから」
アカシとユウバリの目には、どんな事をしても提督を守るという決意が見えた。一体、あの軽薄そうな提督の何が、彼女達にこんな決意をさせるのか。
「さて、工廠の見学はそろそろおしまいにして次に行くデース!」
ちょっとだけ、興味が湧いてきた。
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