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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第17話:新体制の幕開けー5
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「まあ、単に俺に対してあてこすりたいだけって可能性もあるんですがね」

「そんな個人的な感情だけで、あそこまでの準備ができるものかな?」

「あいつと付き合ってた時期に、女性の考えは俺にはわからないと思い知りましたから」

「なるほどね」

クロノは渋面を浮かべるゲオルグを苦笑しながら眺めていた。




2人を乗せた車が本局の車寄せに到着すると、はやての部下が歩み寄ってきて
後部座席のドアを開けた。
ゲオルグとクロノは彼らのあとに続いて、犯人グループが拘束されている捜査部の
フロアへと向かう。
いくつかの施錠された扉を抜けて取調室の並ぶ区画に入ると、
先導するはやての部下が一つのドアを開けた。

「あ、閣下。お戻りになられたんですね」

そこには監房の監視用モニタが並んでいた。
そのモニタを腕組みをして眺めていたティアナは、
クロノとゲオルグが部屋に入ると彼らの方を振り返った。

「少し寄るところがあったんでね。それで、何か分かったことは?」

「まだなにも。これから事情聴取を始めるところですし」

「身柄の調査は?」

「そちらはDNAと指紋の採取を済ませて既に検索をかけてますが、もう少しかかりますね」

ゲオルグの問いにティアナが答えると、クロノは無言でうなずいた。

「わかった。まずは彼らの素性を明らかにすることを最優先に頼むよ。
 僕はミゼット提督に現状を報告してくる」

クロノはゲオルグたちに向かって片手を上げながら部屋から出ていった。

「ゲオルグさんはどうされるんですか?」

「しばらくは取り調べに立会うよ。シンクレアからも何か情報が来るかもしれないしな」

「いいんですか?チンクは早く戻ってほしいって思ってるんじゃないですか?」

「かもな」

ゲオルグはモニタに目を向けながら顎に手を当てて考え込む。
その時、部屋の扉をノックする音がして、ティアナがどうぞと答えたあとにドアが開かれた。
扉の向こうから入ってきたのはシンクレアだった。
シンクレアはティアナの顔を見て話し始めようとするが、
その後ろにいたゲオルグの姿を見つけるとその目をわずかに見開いて驚きを露わにした。

「ゲオルグさんもいるとは思いませんでした」

「いいから、わかったことを話せよ。そのためにここに来たんだろ?」

「そうですね。じゃあ、俺の方でやってる調査の現状を話しますね」

そこから、シンクレアは犯人ひとりひとりの素性についての調査の進行について
資料を交えながら15分ほどかけて2人に説明した。

シンクレアの説明を聞き終えたゲオルグとティアナは揃って渋い表情を浮かべていた。

「マフィア崩れ、ですか・・・」
「まあ、ただの銀行強盗ならや
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